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掲載日: 2013.04.10

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声楽家・合唱指導者 伊藤 光子さん(栗東市在住・72歳)

合唱指導歴33年の伊藤光子(いとうみつこ)さん。
ソリストから合唱指導者に転じ、「女声合唱栗東カレンヂュラ」と「女声合唱彦根水すまし」を全日本おかあさんコーラス全国大会グランプリなど毎年のように受賞する強豪に押し上げた。だが、活躍の道筋は決して平坦ではなかった。

東京の晴れ舞台から滋賀へ

大の音楽好きの家に生まれた伊藤さん。静岡県の実家にはドイツ製のピアノが置かれ、高校に入ると日本声楽界の育ての親といわれる故・畑中良輔(はたりょうすけ)・更予(こうよ)夫妻から指導を受けた。
月1回、朝6時のバスで静岡駅に出て東京・荻窪の先生宅へ通う生活を続け、高校3年生のときには全日本学生音楽コンクール(毎日新聞社主催)高校部門の県代表に選ばれた。その後、音大を経て憧れのソリスト(ソプラノ)としてデビュー。二期会に所属し、東京を舞台に活躍をしていた。
だが、結婚後、まもなく夫の転勤で音楽の環境が一変してしまう。突然、滋賀県甲西町(現・湖南市)に転居。友達も親戚もおらず、当時は気軽に買い物できる店も充分ではなかった。音楽ができる設備といえば公民館のオルガンぐらいだったという。

ハーモニーのとりこに

第43回 滋賀県合唱際の様子

しかし、人生は捨てたものではない。小学生の子どもの友だちの母親から、メンバーが減って存続の危機だった地域の合唱サークルの指導を依頼された。それが「栗東カレンヂュラ」だった。
指導をする中で、ソリスト時代には体験できなかった「合唱ならではの魅力」を発見、とりこになってしまった。声が響き合い、ハーモニーがピタッと決まった瞬間、鳥肌が立つほどの感動に包まれて病みつきになった。
ソリスト時代に培った経験とテクニックが役に立ち、指導した栗東カレンヂュラはまもなく、コンクール入賞の常連になった。
さらに、彦根東高校の音楽の先生が設立した女声合唱「彦根水すまし」の指導も依頼され、翌年には全国大会へ送り出すことができた。
33年間で両合唱サークルが入賞した回数は40回を超え、各地の合唱コンクール審査員や合唱講習会の講師も務める屈指の指導者として知られるようになった。滋賀県合唱連盟の理事会も5期10年務め、2012年度の県文化功労賞も受賞した。

合唱仲間は、もう一つの家族

第29回 全日本おかあさんコーラス全国大会にて

ハーモニーと並ぶ、もう一つの醍醐味は「仲間との絆」だ。
メンバーと一緒に旅行したり、家に集まって料理を楽しんだり……。
「合唱仲間はもう一つの家族で、私はお母ちゃん。この信頼関係と絆は実の家族に勝るとも劣らないものです」
現在、力を入れているのは合唱指導者を育成することと、子どもたちに合唱の魅力を伝えること。
去年、ある中学校から演奏を頼まれたとき、知人から「あの学校は“荒れ気味”なので真面目に聴かないかも……」と入れ知恵をされていた。ところが演奏が始まると、子どもたちはすぐに「人の声の響きの美しさ」に反応。ザワザワしていた会場は水を打ったように静かになり、最後まで聴いてくれた。伊藤さんは彼らの瞳の中に大きな未来を見たという。
(取材・越智田)

 

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