近江の鉄道遺産ⅢJR草津線 ( 甲賀市, 湖南市 )

 

草津駅と柘植駅を結ぶJR草津線は、1889（明治22）年から1890（明治23）年にかけて私鉄の関西鉄道株式会社（1907年国有化）が施設した。
湖南市の甲西駅と三雲駅の間にある大砂川隧道は、大砂川の下を通過する隧道で1889（明治22）年に開通した。切石とレンガで造られた草津線で残る唯一のレンガ隧道で、坑内にはかつて蒸気機関車が走っていた証ともいえる真っ黒な煤が残っている。
三雲駅と貴生川駅の間には国分橋梁と新道橋梁が残されているが、いずれも隧道ではなく道路をまたぐための橋梁だ。国分橋梁の一番の見どころはパラペット（胸壁）にレンガを用いて施された関西鉄道の社紋で、社紋が残る鉄道遺構は全国的にも珍しい。
国分橋梁から200mほど先にある新道橋梁は、パラペット部のレンガが矢筈積みになった美しい造りになっている。

 

 

< 2023年02月16日（木） 取材：雲林院由美 >

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