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掲載日: 2004.12.23

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ピアニスト 奈良田 朋子さん

ピアニスト
奈良田 朋子さん(34歳) (ならたともこ)

今回の素敵な人は、12月25日(土)にびわ湖ホールで行われる「KEIBUN第九2004」でベートーヴェンの「合唱幻想曲」のピアノソリストを務める、大津市在住のピアニスト奈良田朋子さん(34歳)。

独特の力強い演奏が魅力

奈良田さんは、膳所高校を経て1993年に京都市立芸術大学を卒業。その後パリに留学、世界的なコンクールで数々の賞を取った。2000年に帰国してからは、武庫川女子大学専任講師として後進を育てながら、演奏家としての活動を続ける。
奈良田さんの演奏は、その力強さが大きな魅力。恩師との出会いや数々の転機が、今の彼女の独特の力強い演奏をつくりあげてきた。
中学1年の時に滋賀県ピアノコンクールで2位(1位なし)になるなど、早くからその才能を認められてきた。一番の転機は、京都市立芸術大学での、田隅靖子先生との出会い。それまで「先生に教えられた通りに弾くことが良い」と思っていた奈良田さんは、自らが考え、自らの意思で弾くことを教えられた。その後、留学を勧められパリへ。94年にはマリア・カナルス国際コンクールでメダル受賞、95年の40回ラフマニノフ国際ピアノコンクールで第2位受賞など、数々のコンクールで好成績を残す。そして観客席からの盛大な拍手に、「私の演奏がこんなにも喜んでもらえる」と、ピアノを弾く楽しみをあらためて発見した。

琵琶湖に癒される心

奈良田さんは、中学・高校時代を瀬田川近くの美しい風景の中で育った。しかし学生のうちは勉強とピアノの練習で忙しく、景色を楽しむ余裕がなかった。「帰国後、改めてその美しさを感じ、穏やかな気持ちになれました」とのこと。特にびわ湖ホールから眺める琵琶湖の風景が大好きで、疲れが癒されるそうだ。

初心者の人にもクラシックに親しんで欲しい

今後は1~2年に1度くらい、テーマを決めてソロリサイタルを行うのが目標。また、「ホールや主催者の協力を得て、手頃な料金でコンサートを開き、多くの方に聴いていただきたい」という夢も持つ。
「敷居が高いと思われがちなクラシックですが、雰囲気を味わうつもりで気軽に来て欲しい。初めての方にもきっと良さが伝わると思います。
これからもピアニストとして、1人の人間として成長し続けたい」という奈良田さん。爽やかな笑顔とともに、率直で前向きな言葉が印象的だった。感情のこもった力強い演奏は、彼女そのものを表しているのかもしれない。今後のますますのご活躍を期待したい。
(取材・川上)

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