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掲載日: 2005.08.11

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ガラス工房善 牧野 善昭さん

ガラス工房善(ぜん)
牧野 善昭さん(52歳)

今回の素敵な人は「ガラス工房善」の牧野善昭さん。リサイクルガラスを使った作品が評判。5月にオープンしたばかりの工房を訪ねた。

廃ガラスに命を吹き込む

彦根市三津町にある「ガラス工房 善」。リサイクルガラスを原料にしたガラス製品の製造販売と体験教室が開かれている。牧野さんは工房の主宰者。空きビンなどの廃ガラスを美しい食器や花器に生まれ変わらせる達人だ。工房内のギャラリーには牧野さんの涼しげな作品が並べられ、見ているだけで心が華やぐ。
早速体験教室を見学した。炉の熱気、吹き竿に息を吹き込む受講生と牧野さんの真剣な眼差し……。工房内に張り詰めた空気が広がり、思わずカメラを持つ手にも力が入る。やがて作品が完成。「自分だけの作品ができてうれしい!」と受講生。ちょっぴり形はいびつでも、思わず拍手したくなる素敵な作品だ。

限りある人生、好きなことをしたい

牧野さんがリサイクルガラスに出合ったのは3年前。「普通のガラス製品とは違う温かみのある質感に惹かれました」と牧野さん。市内の教室に通ううちにますますその魅力にはまり、ついには34年間勤めた会社を退社。自宅横に工房を設立した。思い切った決断は娘さんが就職したこととお父さんが亡くなったことがきっかけ。
「父が亡くなった68歳という年齢までは20年もありませんでした。それまでに何かを残したいという気持ちが工房の設立を後押ししました」。雑貨屋を営む奥さんにとっても通じるものがあったに違いない。

リサイクルガラスの魅力を伝えたい

牧野さんが大切にしているのは「豊かな発想」。水の流れや波など自然をイメージして作られた作品はどれもやさしく美しい。思い描いた通りの作品ができた時が何よりうれしいという。
工房では本格的な教室の他、1回で完成する「ガラス作り体験」コースも用意。またリサイクルの様子を小学生たちに見学してもらい、物を大切にする心を伝える。
「ぜひリサイクルガラスの魅力を実感していただきたい」と牧野さん。
生き生きした表情と目の輝きが印象に残った。今後の活躍に期待したい。
(取材・川上)

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