株式会社日吉 技術部 分析研究課 宮村 良貴さん
株式会社日吉 技術部 分析研究課
宮村 良貴さん (36歳)
(みやむらよしたか)
今回の素敵な人は、今、話題のアスベストの分析に日夜取り組む(株)日吉の宮村良貴さん。その分析室を訪れ、お話をうかがった。
滋賀県の観光ガイドやエリアガイド、グルメガイドなら滋賀ガイド。地域情報満載です!
株式会社日吉 技術部 分析研究課
宮村 良貴さん (36歳)
(みやむらよしたか)
今回の素敵な人は、今、話題のアスベストの分析に日夜取り組む(株)日吉の宮村良貴さん。その分析室を訪れ、お話をうかがった。
アスベストは通称「石綿(いしわた・せきめん)」と呼ばれる鉱物繊維である。耐熱性、耐薬品性、絶縁性などに優れ、しかも安価であるために建設資材や電気製品、自動車用品など、多くに使われてきた。しかしこれが原因で「肺がん」や「悪性中皮腫」などが発症することが明らかになり、昨年夏ごろから大きな社会問題となっている。しかしその一方で、これを分析する現場の混乱も伝えられている。そこで私たちは宮村さんが勤務する(株)日吉の分析室を訪ねてみることにした。
(株)日吉は一般廃棄物処理からダイオキシン、水質、土壌分析など、都市環境と自然環境を守る事を業務としており、アスベスト分析にも早くから取り組んできた。そして今では分析だけでなく、アスベストが検出された場合の対処や相談にも応じているという。代表者の鈴木稔彦さんの強いイニシアチブのもとで、今、短期間で高精度な分析を可能とするための体制作りが急ピッチで進められている。
アスベストの分析を任されている宮村さんは入社13年目。これまで河川や飲料水といった水質検査のほか、廃棄物分析、土壌汚染対策の調査といった環境分析から、製品の品質検査など、環境分析現場の責任者として活躍してきた。アスベストの分析についても、これまで培った経験と技術を生かし、分析だけでなく検査技術・精度向上のための研究に熱心に取り組み、仲間の信頼を集めている。
アスベストの危険性がある建物は、今後、建て替えの検討が進められることになる。そんな動きに伴い、分析の依頼も増加することが予想され、より短期間で正確に分析することが課題となっている。(株)日吉では欧米の実態調査に基づいて、「PANAlytical X'pert PRO」という分析装置を導入することになった。従来の装置ではアスベストが含まれるかどうかを判定するのに1時間もかかっていたが、この装置ならたったの5分で分析できる。さらに含有量の測定値も0.1%単位まで測定可能という。
「最新式の機械を導入したとはいえ、見落としがあっては元も子もありません。最後は人の目が頼りです」と宮村さん。アスベストの結晶に同じ大きさ、形、色のものはない。ベテラン分析員の経験と判断が重要だという。分散染色・位相差顕微鏡といった特殊な顕微鏡を揃えたり、顕微鏡観察が出来る人材を育成することも宮村さんの仕事である。
「人の命がかかった大切な仕事です。より速く、より正確に……ですが、何よりも安心して分析をお任せ頂く、信用を積み上げていくことが大切です」と宮村さん。
地味で静かな職場の中に、環境を守る熱い思いを感じた。
(取材・白崎)
一般廃棄物処理から特別管理産業廃棄物(有害廃棄物)の処理といった都市環境と自然環境を守るためのさまざまな維持・改善業務に取り組む。
食品添加物分析やコメの品種鑑定、水質、土壌分析、ダイオキシン、アスベスト分析など様々な分野での測定・分析の分野で業績を伸ばす会社。
これまで大気環境中や労働者の作業環境をはじめ、建材や吹付け材中のアスベスト分析を多く受注。単に測定するだけでなく、対策面での相談にも応じている。環境負荷の低減への意識が高く、ダイオキシンもその事例のひとつで、ケイラックスと呼ばれる生物検定法が環境省で公定法として認定を受けたばかり。
本ページの情報は作成時のものであり、変更されていることがあります。あらかじめ御了承ください。