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掲載日: 2007.04.25

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あめ細工職人 中村 又男さん

あめ細工職人
中村 又男さん(73歳) (なかむらまたお)

今回の素敵な人は、あめ細工職人の中村又男さん(73歳)。小さなあめの塊がウサギやイヌなど、可愛い動物にみるみる変わっていく。中村さんの鮮やかな手付きに子供たちの目はくぎ付け。県内はもちろん、県外からも出店依頼が舞い込む毎日だ。「あいとうマーガレットステーション」に出店されているところにお邪魔し、お話を伺った。

子供はもの作りが大好き

中村さんがあめ細工を始めたのは15年ほど前のこと。当時、守山市の銀座商店街で菓子屋を営んでいたが、近くにスーパーができたため、客足が遠のいてしまった。そこで少しでもお菓子に興味を持ってもらおうと、あめ細工を作ることを思いついた。「初めはあめ玉作りのときにできる切れ端を渡していたのですが、子供らの評判が良くなかったのです」と中村さん。
しかし、あめ細工はすぐに評判となり店にはたくさんの子供が集まるようになった。
そこで今度は出来上がったあめを渡すだけでなく、自分たちで色を付けさせてみたところ大喜び。「子供たちは形を作ったり色を塗ったりすることが大好きなのだと分かりました」と中村さん。
さらにもっと多くの人に知ってもらおうと商工会議所に相談し、当時オープンしたばかりだった郊外型の大型店「長浜楽市」で技を披露してみることに。すると予想以上の反響で、これがきっかけとなり県内はもちろん、遠く北海道からも出店依頼がくるようになったという。

道具探しに3年

あめ細工で一番苦労したことは道具探し。たとえば、細工の過程であめに空気を入れることがあるが、ちょうど良い道具が見つからなかったのである。
あめは約80度と高温になるため、普通のストローで空気を送り込もうとしてもすぐに溶けてしまう。3年がかりでようやく熱に強いストローを見つけ、さらに空気を送り込むポンプには病院の血圧の測定器を改良することを思いついた。

夢は「動くあめ屋さん」!

百貨店やスーパーなどのイベント会場だけでなく、学校や保育園などからも引っ張りだこの中村さん。現在は商店街の店を閉めてあちこち移動する毎日だ。将来の夢は「動くあめ屋さん」を実現すること。
「車で移動し、子供たちが手を上げたところで気軽に体験させてあげたい」と話してくれた。1人でも多くの子供にもの作りの楽しさを伝えたいという。
取材日も次々と子供たちが集まってきてあめ細工に見入っていた。
「失敗したらおっちゃんが作ってあげるから大丈夫!」。そんな中村さんの励ましに、子供たちが安心して挑戦する様子が印象的だった。
「ものづくり世界一」の日本の将来が心配な昨今、「今なら間に合う」と、少し希望がわいてきた。
(取材・澤井)

 

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