切り絵作家 奥居 匡さん
切り絵作家 奥居 匡さん(37歳)
今回の素敵な人は、東近江市在住の切り絵作家・奥居匡さん。県立水環境科学館で行われた個展・切り絵体験教室でお話を伺った。
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色紙を使った鮮やかな切り絵が並ぶ展示会場。奥居さんの作品には滋賀の町並みや人、動物など身近な題材が描かれ、どこか懐かしさを感じる。
奥居さんが切り絵を始めたのは、大学在学中に東君平さんの絵本と出合ったことがきっかけだった。友人と絵本を自費出版し、2作目を検討中に東さんの切り絵を見て、興味を持ったという
(東君平さんは神戸市出身の絵本作家)。
「大学で美術の勉強をしていたわけではないのですが、やってみたら楽しくて」と、独学で切り絵を始めたそう。
22歳で初の個展「a happy new day」を八日市図書館で開催したのを皮切りに、県内外で個展を開催。また「ことうへムスロイド村」や「アートイン長浜」、「日野の桟敷窓アート」など、県内のクラフト市のほとんどに出店。さらに広報誌の表紙や焼酎のラベルをデザインするなど幅広く活躍中。昨年は切り絵の絵本「めだかさがし」(石風社)を出版した。
作品のアイデアはどうやって生まれてくるのだろう?
「いろんな所へ出掛けて美しい風景を頭の中に描きとめています」と奥居さん。下書きはあまりせず、自由に切りながら作品を作り上げるという。切る感覚がおもしろく、予想しなかったような仕上がりになるのが楽しいとのこと。
最近残念に思うことは、昔ながらの景色が失われていること。絵本「めだかさがし」の題材を探しに昔よく遊んだ川を訪れた時、川の様子がすっかり変わっていてショックを受けたという。
「自然を守っていく大切さを感じます。切り絵が自然のことを考えるきっかけになってほしいです」と奥居さん。
奥居さんは個展会場ではできる限り体験教室を開き、来場者との触れ合いを大切にしている。「子供だけでなく大人の参加者も多い。皆さんの個性あふれる作品を見ると、私自身の勉強になります。今後はオリジナルの切り絵の絵本を出版し、多くの人に切り絵の楽しさを広めていきたい」と話してくれた。
取材時に開催されていた「切り絵体験教室」では、奥居さんの指導で可愛い切り絵に挑戦する子供たちの姿が印象的だった。
(取材・鋒山)
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