滋賀県の観光ガイドやエリアガイド、グルメガイドなら滋賀ガイド。地域情報満載です!

滋賀ガイド!

滋賀ガイド!トップへ

前のページへ

掲載日: 2008.10.22

素敵な人トップ

「素敵な人」の投稿は → こちら

東近江市能登川 近江だるま保存会の皆さん

能登川町に伝わる郷土玩具の「近江だるま」。このユーモアある表情は見る人の心を和ませる。しかし、残念ながら製作は一時期途絶え、幻の玩具となっていた。今回の素敵な人は、これを見事復活させた「近江だるま保存会」の皆さん。月1回、能登川博物館で行われる活動日にお邪魔し、お話を伺った。

表情豊かなだるまたち

左:男だるま、中央:女だるま、右:姫だるま

近江だるまは大正時代末期に能登川町佐野出身の寺井大門さん(故人)が作り始めた。
代表的なものには漫画のような顔の「男だるま」、上品に微笑む「女だるま」、小さくて可愛い「姫だるま」などがあるが、とくに「困ったなぁ」という声が聞こえてきそうな男だるまの表情はユーモアあふれ、愛好家の中でも秀逸と評される。
だるまは戦時中、縁起物として戦地に送られることもあった。戦後は大門さんの息子の清二さん(故人)がその技を受け継いだ。しかし、残念ながら清二さんは、今から約20年前、不慮の事故で意識のない状態になってしまい、技の伝承が途絶えてしまった。

保存会の立ち上げへ

そのころ、旧能登川町青年会議所の活動を通して近江だるまの存在を知ったのは谷村昭仁さんだった。彼は、地元にこのような素晴らしい玩具があったことをうれしく思い、製作者を捜した。
ところが、清二さんはそのとき既に話さえできない状態。残念に思った谷村さんは、なんとかこれを復元したいと考え、清二さん宅から大切なだるまの木型を借り、清二さんの仕事を見ていた家族から作り方を教えてもらうことになった。そして和紙や糊などの材料に試行錯誤を重ね、何度も挑戦をくり返し、見事復元に成功。97(平成9)年には町からの要請をうけて「近江だるま保存会」を立ち上げることになり、会長を引き受けた。

多くの人に楽しさを伝えたい

現在、保存会のメンバーは11人で、月1回の活動のほか、小学校や老人施設へ出向き、だるま製作の楽しみを伝えている。
まずは作ることを楽しみ、近江だるまに関心を持つ人が1人でも多くなることを願っての活動だ。
「初めは、近江だるまの存在も知りませんでしたが、とにかく、皆さんと作ることが楽しくて……」と会員歴10年の大石圭子さん。「能登川独自の文化を大切にしていきたい」という中沢俊子さんは、だるまの製作教室に参加したことがきっかけでメンバーになった。
谷村さんは「個人で伝承していこうとすると、また幻の玩具になってしまうかも知れません。大門さんも清二さんも今ではもういらっしゃらないが、保存会として、より多くの人に製作の技術や楽しさを伝えていく必要があります」と語る。
この楽しい「だるまづくり」が、世代を継いで伝えられていくことを願うばかりである。(取材・福本)

 

素敵な人トップへ

本ページの情報は作成時のものであり、変更されていることがあります。あらかじめ御了承ください。

おすすめ情報

クルマでおでかけ!湖国ドライブガイド

おすすめアルバム

今週のプレゼント

おすすめランチ

Copyright © Yamapla Corporation. All Rights Reserved.

滋賀県のプランニングとデザイン、ホームページ制作をサポートする株式会社ヤマプラ