ガラス工芸作家 西尾英樹さん(67歳) 綾子さん(64歳)
湖南市でステンドグラス教室を開く、西尾英樹さんと綾子さんご夫妻が今回の素敵な人。30年前に妻の綾子さんがステンドグラスに魅せられた事がきっかけで、夫婦そろってステンドグラス作りに取り組むようになった。
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湖南市でステンドグラス教室を開く、西尾英樹さんと綾子さんご夫妻が今回の素敵な人。30年前に妻の綾子さんがステンドグラスに魅せられた事がきっかけで、夫婦そろってステンドグラス作りに取り組むようになった。
何枚も、あるいは何百個ものパーツをつなぎあわせて光の世界を表現するステンドグラス。綾子さんがステンドグラスに初めて出会ったのは10代のころ。美しさに魅了され、いつかは自分で作ってみたいと思うようになった 。3人の子どもに少し手がかからなくなったころ、「東京での(ステンドグラスの)研修に参加してみたい」と恐る恐る英樹さんに打ち明けた。予想に反して「やってみれば」と快い返事が返ってきた。光とガラスの世界に夢中になり、研修のために外国へ出かけたり、フィンランドへ2カ月間一人旅をしたり、積極的に取り組んできた。10年前には、自宅で教室を開き、ステンドグラスの魅力を伝えてきた。
一方、夫の英樹さんも、いつしか綾子さんから影響を受け、ガラスの世界に興味を持つようになった。元来、英樹さんは物づくりが好きで、変幻自在に形を変えるガラスが面白く、会社勤めの傍ら、作品作りに情熱を傾けるようになった。「妻が道を切り開いてくれたおかげで、定年後の生活が待ち遠しく思えました」と話す。8年前に定年を迎えると、本格的に取り組むようになり、夫婦で同じ道を歩み始めた。
西尾さん夫婦がステンドグラスに没頭した理由の一つに、息子の長い闘病生活があった。「病気の苦しみと共存する生活の中で、私自身の心のバランスを取るには、ステンドグラスが必要でした」と綾子さん。2年前に、息子が他界し、気持ちが沈むこともあった綾子さんだが、英樹さんに支えられて作品作りに前向きに取り組んできた。
06(平成18)年、英樹さんは全国規模の公募展「第3回ステンドグラス美術展」で斬新な技法が評価され、奨励賞を受賞した。綾子さんも入選した。現在二人はガラスに絵付けをする伝統技術を学ぶため、東京や大阪に足しげく通う。「奥深い世界なので終わりがありません。新しいことを知るたびにワクワクします」と意欲的だ。
「主人の理解と協力がなければここまで続けてこられませんでした」と感謝する綾子さん。傍らの英樹さんは「妻のおかげでガラスに出会えたことを感謝しています」と話す。お互いが理解し、感謝し、共に歩む……。そんな夫婦愛に心から感動した。(取材・福本)
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