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掲載日: 2010.11.24

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造形作家 加賀谷 潤さん(大津市在住・43歳)

オリジナルのぬいぐるみを作り、全国各地で展覧会を開いている加賀谷潤さん。ライオン、キリン、シマウマなど、ユニークな表情のぬいぐるみが、人と人とのかかわりを深めてくれている。

何を作るかは布が教えてくれる

目に細かい刺しゅうを施した個性的な顔つきの動物たち。キリンの模様は絵の具で描くなど自由な発想で作り、子どもだけでなく大人にも人気がある。
さまざまな大きさの長方形の布でボディや頭、手足などを作り、しっかりと綿を詰め込んでつなぎ合わせる。はぎれは綿と一緒にぬいぐるみの中に入れて無駄なく使う。
素材にはこだわらない。布を提供してもらうことも多く、布を見ると何を作るかがぱっと頭にひらめく。「布が教えてくれる」という。イメージが浮かぶと一気に作り上げる。二つとして同じ物にはならない。
丸一日かけて作り上げると愛おしい存在になるが、作ったぬいぐるみは早く誰かにあげたい。その人の喜ぶ顔が見たいからだ。
「せっかちなので早く作品を作りたいし、喜んでもらえる人の所に届けたいです。まとまった作品ができたら幼稚園や保育園に寄付したいと思っています」

きっかけは娘との遊び

3歳から絵を描き始め、父母は将来画家になってほしいと言っていた。手芸など物を作るのも好きだった。
芸術系の短大を卒業後、油絵、アクリル画を描く画家、イラストレーターとして活躍した。
00(平成12)年滋賀に移住。当時まだ幼なかった娘と遊んでいて童心に帰り、どうしてもぬいぐるみがほしくなった。自分で作ってみると、自分が子どものころに帰った気がして楽しかった。以来、オリジナルのぬいぐるみを気のむくまま作っていった。
5年前から本格的に作るようになり、全国各地で展覧会も開いた。昨年、東京で絵とぬいぐるみを一緒に飾った展覧会を開催した。絵の前にぬいぐるみを置くと、まるで絵の中から抜け出たようだと好評だった。
「みんなが楽しめる企画を考えるのが好き。展覧会でどうしたら大人から子どもまでみんなに喜んでもらえるか一生かかっても考えていきたいです」

クリスマス用の注文も受付中

人とかかわるのも大好き。大人と子どもが集える場所を作りたい。幼稚園や人の集まる場で、ぬいぐるみ作りや絵を教えたい。
ぬいぐるみを使って人形劇をしたり、絵本を作ったりして楽しんでほしい。
将来は農業をしながら、端境期にぬいぐるみを作り、絵を描きたいと夢見ている。
「今、クリスマスのプレゼント用にぬいぐるみの注文を受け付けています。たくさんの人と喜びや愛を共感したいです」
(取材・鋒山)

 

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