長命寺住職 武内 隆韶さん
(近江八幡市在住・57歳)
近江八幡市の「長命寺」は、寺の名前がそのまま地名になっている琵琶湖岸の観光名所でもある。この寺は西国三十一番札所で、古くから多くの参詣者があり、現在も年間10万人が訪れている。今回のステキな人はこの寺の住職、武内隆韶さん、57歳。
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近江八幡市の「長命寺」は、寺の名前がそのまま地名になっている琵琶湖岸の観光名所でもある。この寺は西国三十一番札所で、古くから多くの参詣者があり、現在も年間10万人が訪れている。今回のステキな人はこの寺の住職、武内隆韶さん、57歳。
学生時代に知り合った女性と結婚話が持ち上がったことから、人生が大きく転換した。女性が長命寺住職の娘で、先代住職から「私には息子がいない。娘と結婚したいのなら僧侶の修行をしてもらいたい」と条件を出された。真剣に悩んだ結果、紆余曲折はあったものの、武内さんは僧侶の道に入ることになった。もう31年前のことである。
僧侶になった経緯については多くを語らない武内さんだが、「慈母観音様も、聖母マリア様も子どもを抱かれ、人々を苦しみから救おうとされているお姿は同じでしょう」と感じている。
西国三十三番札所巡りの由来が、「観世音菩薩が三十三身に変身して仏法を説く」ことにあると教えてもらい、興味深かった。
長命寺には、千手観音、聖観音、十一面観音の3体が祭られている。
武内さんは、百人一首で有名な西行法師が、伊勢神宮に参拝したときに詠んだ『何事のおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる(どのような神様がおられるのかよく分かりませんが、ありがたくて涙がこぼれます)』という歌を例に、「これで良いのですよ」と言い、白洲正子が著書の「近江山河抄」でも同じようなことを言っていると教えてくれた。
「深く考えないで、まずは、札所めぐりをしてみてください。寺のご朱印を集めながらお参りしているうちに、信心が芽ばえてきます。点から線へ、線から面へとね」
「日本人は、生まれたときは宮まいり。結婚するときはキリスト教。死ぬときは仏教……。でも、それでいいのかも知れませんよ」
白装束に身を固めたお遍路さんが、鈴を鳴らして御詠歌をうたう姿を思い浮かべがちな西国巡礼だが、最近は現役をリタイヤした夫婦、ファッショナブルな女性、若いカップルなども多いと言う。
(取材・山田)
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