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掲載日: 2012.04.11

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佐川急便 陸上競技部 山本 亮さん(守山市・27歳)

3月4日の「びわ湖毎日マラソン大会」で2時間8分44秒のタイムを出し、日本人トップの4位入賞。ロンドン五輪男子マラソン日本代表に選ばれた山本亮選手(守山市在住、佐川急便陸上競技部所属)をインタビュー。8月のオリンピックに向けて思いを語ってもらった。

自己新記録で五輪代表へ!

「我慢だ…!」。35㌔手前で、併走していた外人選手のペースがアップし、それにつられて上がってくる自分のペースを抑えた。
「常に射程圏内を維持して走り、最後のトラックで勝負をかける」。これが今回の「びわ湖毎日マラソン」での作戦だった。そのためには「リズムを崩さないこと」だと考えていた。
途中、疲れが出てきて、前を行く日本人選手に離されることもあった。だが、粘った。その甲斐あって、残り5キロの所で再び体が動くようになり、前との差が詰まってきた。競技場に入ってからは、「オリンピック出場」のことだけを考え、必死で追いつき、追い越した。
結果は9秒差で日本人トップの4位。
2時間8分44秒は自己ベストを3分26秒更新する記録だった。両親に五輪代表の座を誓って臨んだレースだった。

駅伝からマラソンへ

両親もマラソンが趣味だった。その影響で小学生のときから走ることが大好きだった。
中高と陸上部に所属、高校では1500メートルと5000メートルを専門に走り、兵庫県で2 位になったこともあった。
その後、箱根駅伝に憧れ、中央大学に進学。全国から強い選手が集まる陸上部で鍛えられた。大学4年間で箱根駅伝出場は3回。4年生のとき5区23㌔で区間第3位を手にした。

転機が訪れたのは3年生のとき。読売犬山ハーフマラソンで優勝し、長距離に適性があると気が付き、フルマラソンに挑戦していこうと思ったという。

失敗レースをバネに成長

本格的にマラソンをするようになったのは佐川急便に入社してからだった。

施設管理の仕事をしながら練習に励み、陸上競技部のキャプテンとしてチームのまとめ役も務めた。

09年夏、北海道マラソンで念願のフルマラソンに初参加。記録は2時間12分10秒で初参加ながら2位を獲得。これで弾みを付け、マラソンで戦って行こうと心を固めた。

ところが簡単ではなかった。その後出場した東京マラソンと、2度目の北海道マラソンでは準備不足で失敗。だが、くじけず、悪いところを徹底的に研究した。レース中は何度も苦しい波に襲われる。だが、苦しさを乗り越えれば、良い走りができることが分かってきた。いかにこれを乗りきるか?……大きなテーマだった。

そして、迎えた「びわ湖毎日マラソン」。1月、2月の事前合宿で、多い日には70、80キロを走り込み、長時間走っても芯がブレない体を作った。腹筋、背筋、腕などをバランスよく鍛えた。この努力が今回の結果に結びついた。

「確かに、日本代表としてのプレッシャーはあります。しかし、マラソンの楽しさは本人にしか実感できません。それを楽しめる余裕が持てるように頑張り抜きます」と語る口調は熱い。
(取材・鋒山)

 

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