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掲載日: 2012.07.3

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丸三ハシモト株式会社 専務取締役 橋本 英宗さん(長浜市在住・37歳)

橋本英宗さんは三味線や琴など和楽器の弦を製造する丸三ハシモト株式会社の4代目。100年以上続く和弦の伝統を守りながら、最近では海外の楽器の弦作りにも力を注ぎ、世界の伝統音楽にも貢献していく夢を膨らませている。

伊香具地区に伝わる平安時代以来の伝統

哀愁に満ちた琴や三味線の音色は弦の響きの良し悪しで決まる。これらの弦は洋楽器の弦と区別され、「和弦」と呼ばれている。
現在、国内には和弦メーカーが7社あるが、そのうちの4社が滋賀県にある。今回取材した丸三ハシモトは1908(明治41)年の創業。この会社が作っている和弦のルーツは「いかぐ糸」にあるという。
「いかぐ糸」とは、長浜市木之本町伊香具地区の大音と西山の集落で平安時代より前から、主に和楽器の弦として使うために特別な製法で作られてきた絹糸のこと。絹糸から和弦を作る作業には、糸に張りを出すために餅の糊で煮込む「糊煮込み」や、コマのような重りで糸を撚る「撚糸」など、完成までに12の工程がある。絹糸は白色をしているが、完成した和弦は黄色い。これはウコンの根の色で、防腐剤としてウコンの粉末が塗布されているからだそうだ。
こういった一つ一つの工程を丁寧にこなしながら、強固で良い音色の和弦が作り出されていく。

韓国の琴糸づくりで弦作りの面白さを学ぶ

最初のころは言われたとおりに仕事をするだけで、弦づくりの楽しさなど味わう余裕は全くなかったという橋本さん。10年余りひたすら仕事をしていく中で、糸の撚り具合や糊の調合具合などが徐々に分るようになり、和弦づくりの面白さが少しずつ理解できるようになった。中でも、韓国の琴弦を作る仕事をしたのが大きな経験になった。
国が違えば「弦の作り方」「楽器の演奏方法」「好まれる音色」など、随分違う。要求される弦の固さ、音の余韻なども和弦とは異なり、分からないことばかりだったが、試行錯誤を繰り返した。
この仕事を通じて橋本さんは、「撚糸次第で自在に音が出せる!…」と確信し、弦作りの奥深さと面白さを知ったのだという。

海外の伝統楽器に和弦の技術を

次の世代に伝統を伝えていくために、新しい市場の開拓の必要性を痛感した橋本さんは、外国からの注文も積極的に受けるようになった。
2010(平成22)年にはウクレレの弦、そして昨年は二胡の弦などに挑戦。
れた中国上海国際楽器展覧会に出展し、絹弦の良さが評価されて反響を呼んだ。
中国の楽器には元々、絹弦が使われていたが、今では99%がスチール弦だ。しかし、古琴には絹弦の需要が根強い。北京の琴の製作家兼演奏家と連携しながら弦の開発に精力的に取り組み、今年の中国上海国際楽器展覧会にも出展を予定している。
(取材・澤井)

 

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