循環型社会創造研究所 えこら 事務局 藤田 アニコーさん(栗東市在住・32歳)
環境関連の会社に勤めながら、自らも非営利団体を設立し循環型社会を目指しているハンガリー出身の藤田アニコーさん。もともとは空手に興味があって日本にやってきたが、モノやゴミであふれる現状に心を痛め、環境保全の世界に身を投じた。
循環型社会の実現のために、市民と団体、企業をつなぐさまざまな活動に取り組んでいる。
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環境関連の会社に勤めながら、自らも非営利団体を設立し循環型社会を目指しているハンガリー出身の藤田アニコーさん。もともとは空手に興味があって日本にやってきたが、モノやゴミであふれる現状に心を痛め、環境保全の世界に身を投じた。
循環型社会の実現のために、市民と団体、企業をつなぐさまざまな活動に取り組んでいる。
13歳から空手を始め、日本文化や禅などが好きになり8年前に日本へ留学。
大学で経済学を専攻し、マーケティングや環境問題を学んだ。
彼女が育ったのはハンガリーの湖のほとりの小さな町。休日にはよくハイキングに出かけ、自然との触れ合いを大切にし、節電節水にも気配りを欠かさない生活を送っていた。
ハンガリーに比べて日本は大変豊かだが、環境破壊が進んでいると感じた。自動販売機やコンビニがたくさんあり、便利な半面、モノやゴミがあふれていて、日本古来の「質素倹約」の精神文化が薄れているように思えてならなかった。
そんなとき、ある講演会で環境団体の人たちと出会い、自分と同じ思いの人がたくさんいることを知って感動した。これがきっかけになり、日本で環境を大切にする消費者である「グリーン・コンシューマー」として生きていくことを決心した。
その後、日本人の男性と結婚し、故郷のハンガリーによく似た湖のある滋賀県に移住。廃棄物処理やリサイクルなどを手がける近畿環境保全(本社・草津市)に就職し、環境企画の仕事に携わることになった。
さらに、市民、団体、企業などと共同で循環型社会を創造していく非営利団体として、2年前、「循環型社会創造研究所 えこら」を仲間と共に組織した。
えこら(ekora)の「こら」は、ハンガリー語で「循環」を意味する「kor」からきているという。
最初のころは何をすればいいのかわからず、あせりもあった。だが、大きなことはすぐにはできないと気が付き、「小さなことから取り組もう。まずは自分から変わろう」と思い直した。資源ゴミや廃天ぷら油を回収し、リサイクルしたり、家では洗剤やシャンプーを環境に優しいものに換えていった。
さらに、市民、団体、企業をつなぎ、資源ゴミを集めてリサイクルした収益の一部を滋賀県が進める「マザーレイク滋賀応援基金」に寄付。見学会、学習会、講演会、自然体験の開催など活動の幅を広げていった。
廃天ぷら油を利用したキャンドルや資源ゴミでクリスマスグッズを作るワークショップは、特に子どもたちに人気で、「ゴミは利用の仕方しだいで、新たな価値を生み出します。形を変えれば“遊べる友達”になれることを子どもたちに教えています」という。
2011年8月、青年会議所近畿地区協議会主催の第1回近畿地区人間力大賞「奨励賞」を受賞。滋賀県マザーレイクフォーラムの設立発起人や、環境省の「環境教育等促進法」地域アドバイザー委員も務める。
将来的には、自給自足などにチャレンジしたり、日本の文化を生かす楽しいライフスタイルの提案をしていきたいという。
(取材・鋒山)
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