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掲載日: 2013.09.3

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(株)レイラインメディア 代表 中嶋 一成さん(甲賀市在住・44歳)

全米オープンテニス2012 錦織選手映像撮影中
(ニューヨーク)

ロンドンオリンピックやウィンブルドンテニスなど、全世界が注目するスポーツの感動をそれぞれの現場から美しい写真や映像で届けている中嶋一成(なかじまかずしげ)さん。滋賀を拠点に世界の現場で活躍している。

ロンドン五輪撮った写真は4万5千枚

ロンドンオリンピックで写真を撮影する中嶋さん(右)

ロンドンオリンピック セーリング競技 470級 女子
(撮影:中嶋一成)

中嶋さんはスポーツイベント専門のフリーのカメラマン。テレビ局や雑誌社など、メディアからの依頼を受けて現地に入り、撮影・送信するほか、エンジニアとして機材のセッティングなども行っている。
最近の大きな仕事はロンドンオリンピック・セーリング競技の写真撮影、ウィンブルドンテニス、全仏テニスの中継業務など。ロンドンオリンピックでは2週間で4万5千枚もの写真を撮影し、日本へ配信した。

インターネットで仕事が変わった

アメリカで中継車の中から

小学校のころから放送委員を務めるなど、人にものを伝えるのが好きだった。
大学で通信技術を学び、東京の放送局(WOWOW)に入社、スポーツ放送などに携わった。6年間勤めた後、京都のFM京都αステーションに転職した。
学生のころからインドやタイ、モロッコなど、あちこちを旅した経験から、世界で見たものを伝えたいと思っていた。
5年後、仕事で知り合った知人の誘いでニューヨークの映像制作会社へ転職、日本向けのメジャーリーグの中継放送を担当した。英会話は苦手だったが、放送技術が認められたのだという。
また、ちょうどこのころからインターネットが普及し始め、仕事のスタイルが変わり始めた。どこにいても仕事のやりとりができ、映像も送れるようになったのだ。
そこで思いきって2008年、故郷の水口に戻り、日本とアメリカを行き来しながらフリーで活動を開始した。

撮影だけでなく放送エンジニアも

ロンドンオリンピックメディアセンター
世界の超有名カメラマンたちと

11年に映像写真制作会社「レイラインメディア」を設立した。同社では撮影だけでなく、放送エンジニアの仕事も請け負っている。
日本と欧米では放送システムが異なり、カメラを操作するスイッチやレバーなども日本人と西洋人では好みが違うのだ。
それゆえ、現地のものを日本人仕様に変更したり、日本に来た海外メディアのコーディネートなどが必要になる。これについては、アメリカ時代の経験が役立っている。

喜びや悔しさ一瞬の表情も見逃さない

ロンドンオリンピック セーリング競技 470級 男子
(撮影:中嶋一成)

世界で頑張る日本人を撮影していると、感動のあまり撮影中に涙が流れてくることもある。同じ選手をずっと追いかけることが多く、けがや苦労で苦しむ姿も見ていると、思い入れが強くなってくるという。だから撮影するときは、競技者が見せる喜びや悔しさ……一瞬の表情も逃さないように気を配っている。
「東京オリンピックの誘致が実現したら、メディアの対応や世界配信のやり方など、これまで経験してきた世界標準の技術を生かし、プロジェクトとして手がけてみたい」
大きな夢を胸に秘めながら、この夏もフランス、大阪、ニューヨークへと忙しく飛び回っている。
(取材・福本)

 

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