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掲載日: 2013.12.24

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夏原 美智子さん(彦根市在住)

東日本大震災の発生から2年10カ月。本格的な復興への道のりはまだ遠い。被災地から離れた滋賀でできることは何だろうか――。彦根市在住の夏原美智子(なつはらみちこ)さんは自身のブログを通じて出会った仲間たちとともに、被災地への支援を続けてきた。中でも、最愛の子どもを津波で亡くしながら立ち上がった宮城県東松島市の木工作家、遠藤伸一さんとの交流は、夏原さんの活動の原動力になっている。

始めたてのブログから

2011年2月、夏原さんはブログを開設した。身の回りのことなどをつづっていこうとしていた矢先の3月11日、東日本大震災が発生した。
新聞、テレビで刻々と伝えられる被災地の様子。被害が余りにも悲惨で、何をすればいいのかまったく分からない。
「どんな支援が必要なのか。何を優先したらいいのか」。ブログで呼びかけ、意見を交換し合った。ほどなく、復興支援のためのTシャツを作って販売し、収益金を被災地に送ることを思いついた。
「UNITE TOGETHER」。Tシャツのロゴも考えた。

犠牲者の夢を受け継ぐ

遠藤さんの自宅跡に造られたコミュニティーセンター 「わたほい基地」で、花壇に花を植える夏原さん(2012年夏)

夏原さんを復興支援に強く突き動かしたのは、同県石巻市で津波のために亡くなった米国人英語指導助手、テイラー・アンダーソンさん(当時24歳)を知ったことだ。
テイラーさんは幼いころから日本で暮らすことを夢見て08年に来日。地震発生直後、勤務先の小学校で児童を保護者に引き渡した後、津波に巻き込まれて亡くなった。テイラーさんの両親が「娘の愛した石巻の学校に本を贈りたい」と同市内の小中学校に「テイラー文庫」を寄贈した。
この文庫のための本棚を製作したのが遠藤さんだった。遠藤さんは津波で3人の子どもを亡くしている。子どもがテイラーさんに英語を習っていた縁で本棚を作ることになったが、悲しみに暮れる中、もの作りを再開する大きな力になったという。
テレビの番組でこの話を知った夏原さんはインターネットで遠藤さんのことを調べ、その日のうちに連絡を取った。さっそく石巻に支援グッズを送る活動を始めた。

必要な支援とは何か

2139足の靴下で「UNITE TOGETHER」のモザイクアートを制作。 靴下と義援金を石巻へ送った(彦根市で 2012年4月)

ある日、夏原さんは夫から「実際に現地に行って遠藤さんたちの状況を見に行ってはどうか? そうすればもっと内容のある支援ができるのでは」とアドバイスを受けた。この言葉に背中を押され、11年10月、石巻へ向かった。
初めて見る被災地の光景。目の当たりにすると言葉が出なかった。覚悟はしていたが、胸が詰まって涙が止まらず、いても立ってもいられなかった。
「被災者の要望に合わせた支援、被災者の心に寄り添った支援、小さくても顔の見える支援、ずっと続けられる支援――。これこそが大切なのではないか」。自分ができるあらゆる支援をしていこうと心に決めた。
12年12月、CD「風に乗って伝えたい」を発売した。復興をテーマに夏原さんが書いた歌詞に、歌手のSANISAIさんがメロディを付けた。歌は全国に広がり、小学校や地域のママさんコーラスなどで歌われるようになった。被災地への訪問も回を重ねている。

28日に慈善コンサート

今月28日には彦根市に遠藤さん夫妻を招き、「ひこね文化プラザエコーホール」で「東日本大震災復興支援チャリティーコンサート」を開く。「心の温まるひと時をともに過ごし、東北の人々に思いを寄せることができれば」と夏原さんはいう。
京都・清水寺で発表された今年の漢字は「輪」。UNITE TOGETHERの活動がさらに大きな輪になっていくことを期待したい。
(取材・越智田)

 

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