立命館大学 スポーツ健康科学部2回生 山中 未久さん(京都市在住・20歳)
4年に1回、柔道、空手、相撲、レスリング、中国武術など10数種で競い合う格闘技の世界大会「スポーツアコード・ワールドコンバットゲームズ」が2013年10月にロシアのサンクトペテルブルクで開かれ、女子相撲競技の軽量級(65㌔未満)で日本選手が世界の強豪を相手に見事優勝を果たした。立命館大学のびわこ・くさつキャンパスに通う山中未久(やまなかみく)さんだ。女性が相撲をすることへの物めずらしさや偏見を乗り越えての快挙だ。
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4年に1回、柔道、空手、相撲、レスリング、中国武術など10数種で競い合う格闘技の世界大会「スポーツアコード・ワールドコンバットゲームズ」が2013年10月にロシアのサンクトペテルブルクで開かれ、女子相撲競技の軽量級(65㌔未満)で日本選手が世界の強豪を相手に見事優勝を果たした。立命館大学のびわこ・くさつキャンパスに通う山中未久(やまなかみく)さんだ。女性が相撲をすることへの物めずらしさや偏見を乗り越えての快挙だ。
小さなころは体が小さく、お母さんの姿が見えないと泣き出すような子どもだった。そんな山中さんが相撲の世界にはまったのは、保育園で開かれた相撲大会がきっかけ。男女混合だったので、1対1の真っ向勝負で自分より大きい相手や男の子を倒せる楽しさを知った。2年連続で優勝したこともある。
小学生になってからも遊び感覚でわんぱく相撲大会に出場した。
小学4年生のとき、親の勧めで地元の相撲クラブに入り、本格的に相撲を始めた。
「相撲は自分の身一つで戦う競技。立ち合いでの相手との気持ちの駆け引きが面白く、簡単なルールだけれど奥が深い。小さな土俵の中で何が起こるか分からず、一瞬で勝負が決まってしまう。見ている人も熱くなれるのが魅力です」
中学校では、山中さんが相撲をしていることをみんなが知っていたため、相撲クラブに通っていてもからかわれたりはしなかった。だが、高校は違った。相撲部のある学校を選んで進学したが、相撲部は女子は山中さんだけ。山中さんの相撲への思いを理解してくれる人は少なく、周りからからかわれた。悔しくて辞めたいと思ったこともあった。しかし、馬鹿にした人たちを見返してやる、絶対結果を残してやると心に決めて頑張ったという。
家族の励ましも大きな支えになった。
大学でも、1 回生の間は相撲部の女子は山中さんだけだった。週6日、取り組みやぶつかり稽古など男子部員と同じ内容の練習をこなした。
「高校までずっと男子の中で練習をしてきたので何とも思いませんでしたが、他の部員は戸惑っていたのではないかと思います」
憧れの力士は日馬富士(はるまふじ)。小柄なのに大きな相手を倒す姿が、体が大きくはない自分に重なるという。
競技を始めてからの夢は世界一になること。山中さんの強みは「スピード」と「技」。日本では技があれば勝てるが、世界では同じ階級でも骨格やパワーが違い、技だけでは勝てない。中学生のころから世界女子相撲選手権大会に毎年出場しているが、あと一歩のところで優勝を逃していた。昨年7月にコロンビアで行われた世界女子相撲選手権大会は調子が悪く、8位に終わってしまった。
相撲の基本は前に出ることだと改めて自分の相撲を見つめ直し、今回のワールドコンバットゲームズでは、開き直って「思い切って先手を打って攻めていく相撲」を楽しむことにした。これが勝因になったと振り返る。
「相撲というと、体の大きな男の人が裸にまわしをつけて……というイメージがありますが、女子でも小柄な人でも楽しめ活躍できるスポーツです。それを知ってほしいですね」
次の目標は4月19日、20日の「国際女子相撲選抜堺大会」。2013年は優勝している。
現在、この大会に向けて練習に励んでいる。
(取材・澤井)
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