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江戸時代から宿場の特産物
伝えたい 水口のかんぴょう作り

掲載日: 2019.07.16

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JAこうか 水口かんぴょう部会
部会長 谷口 治郎(たにぐち じろう)さん(甲賀市在住)

400年の歴史を持つ「水口かんぴょう」。代々続くかんぴょう農家の谷口 治郎さんは、次第に減っていく生産農家を憂い、地域活動を通して次代への継承に取り組んでいる。

この手でかんぴょうを蘇らせたい

地元の高校生が見学に訪れた

かんぴょうは、ウリ科のユウガオ(夕顔)の実を専用の皮むき器で細長い帯状にむいてから干して乾燥させたもので、昭和の終わりころに40軒近くあった農家も、今では10軒ほどになった。かんぴょう作りは手間がかかり気候の影響を受けやすいデリケートな農作業だ。
谷口さんは小学生のころ見た父親の皮むき器を操る姿に憧れ、かんぴょう干しや畑の世話などの手伝いをしながら、早く一人前になりたいと思っていた。20数年前に父親が亡くなりしばらくかんぴょう作りを休んでいたが、定年退職を機に作り始め毎年約500個のユウガオを収穫している。

こだわりの天日干し

かつて東海道の宿場町として栄えた「水口宿」。歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の中で、かんぴょうを干す女性の姿が描かれている。
照りつける日射しと心地よい風にさらして一日半ほど天日で干す。竿に付いたり、かんぴょう同士が付いたりしないよう一日数回手で離すのも大事な作業だ。昔ながらの天日干しにこだわるのは、甘みと柔らかさを引き出すためだ。

絶やしたら広重が泣く

6年前水口かんぴょう部会の部会長になった谷口さん。生産者の高齢化と後継者不足は深刻で、4・5年後には絶えてしまうのではないかと危惧する。「次代にどう継承していくか妙案はないが、絶やしたら広重が泣く。宣伝マンとして、他県の営農組合が視察に訪れたり、メディアの取材があったりしたときは必ず受けるようにしている」と抱負を語る。そして必ず奥様の裕美(ひろみ)さんが作るかんぴょうの天ぷらや、ユウガオの刺身、煮物料理などを試食してもらっている。今では東京の一流寿司店からの注文や海外からも取材依頼が来るほどだ。

 

種だけでも残したい

ユウガオの花は夕方になると真っ白な花を咲かせ、昆虫などの受粉によって実を結ぶ。一昨年春、谷口さんは多くの人に地元特産のかんぴょうをもっと知ってもらおうと、ユウガオの苗130株を作り地元の人たちに無償で配布した。去年300株、今年は500株。用意した苗は全て無くなった。「今対策を講じないときっと絶えてしまう。軒にかんぴょうが干してある風景を消してはならない」。谷口さんの祈るような気持ちは、水口かんぴょう保存振興会の人たちはもとより、多くの地元民の願いでもある。(取材・髙山)

●お問い合わせ
谷口 治郎
住所:滋賀県甲賀市水口町梅ヶ丘4―11
TEL:090-5138-0692

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