国内初の蜂蜜酒「ミード」を醸造
楽しい雰囲気を一緒に味わいたい
クラフトミードハウス ANTELOPE株式会社 醸造家
谷澤 優気(やざわ ゆうき)さん(栗東市)
野洲市永原にあるクラフトミードハウス「ANTELOPE(アンテロープ)」で、蜂蜜と水と酵母菌で醸造した酒「ミード」の製造・開発を担当する谷澤優気さん。ミードは紀元前14000年前に生まれた世界最古の酒といわれ、ほのかな甘みと香りの良さで近年国内でも人気が高まっている。谷澤さんは蜂蜜以外にもさまざまなフルーツやスパイスなどを加えた「クラフトミード」を次々と開発し、最近では甘夏を使ったミードにも挑戦している。
原点はクラフトビールの研究
1994年東京・八王子市に生まれ、京都大学農学部に進学して農業哲学を学んだという谷澤さん。大学ではバレーボール部に入って活躍したが、飲み会に参加することも多かった。人と触れ合うことが大好きな谷澤さんは、飲み会の楽しい雰囲気を自分の手で作り出せないかと思った。
大学でクラフトビールを研究し海外の文献を読んで醸造技術を学んだ。大学院中退後静岡県のクラフトビール醸造所二カ所に赴き、半年間醸造技術を勉強させてもらった。「二つの醸造所の方々にはたくさんのことを教えてもらい感謝しています。ちょうどその頃大阪にある醸造所兼お店のブリューパブで、福井駿さん(後のアンテロープCEO)と偶然出会いました。クラフトビール醸造所で働くことが決まっていた福井さんと意気投合し、一緒に醸造所を始める決心をしました」
ミードとの出合いが転機に
2019年9月、クラフトビールの研究のために訪れたビールの祭典「ミッケラービアセレブレーション東京2019」の会場で転機が訪れた。ミードで有名なアメリカのSuperstition Meadery(スーパースティション ミーダリー)社のクラフトミードを初めて飲んだ。最高に美味しかった。甘みがあり香りも華やかで味わい深い。ビールもミードも糖分と発酵させて作る点では同じ。味わいに惚れ込みクラフトミードを作る方向に舵を切った。
2020年3月福井さんと二人でANTELOPE株式会社を創業し、昨年7月から国内初のクラフトミードの醸造所を本格的に稼働させた。
「ミャンマー産の蜂蜜を使用しています。複数の花から構成される百花蜜で、味が濃く紅茶のような匂いがします。甘さを残した状態で発酵を止めるのでそのタイミングが難しい。1日1日少しずつドライになっていくので試行錯誤しながらほんのりした甘さを追求しています」
人と出会い一緒に楽しみたい
クラフトミードは料理と一緒で、蜂蜜以外にフルーツやスパイスをたくさん入れると味わいが変わる。現在7種類あり8種類目の仕込みをしている。以前は夏みかんをピューレ状にしたものを仕入れて使っていたが、今回は生の鹿児島県産紅甘夏を自分たちで絞って作っている。
「いつかは果物やハーブ、蜂蜜などの原材料作りにも携わってみたいです。スタッフも増え今後はさらに新商品の開発を増やしていきたい。自分が学生時代に楽しんだ雰囲気を、自分の作ったお酒で同じように味わってくれる人が増えると嬉しいです。イベントなどを増やしてみんなでクラフトミードを楽しみたいです」
●お問い合わせ
ANTELOPE株式会社
滋賀県野洲市永原551
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