山本 健登(やまもと けんと)さん(守山市在住・24歳)
昨年10月に公開9周年を迎えた、人気ブログ「のんびり無駄遣い雑記」を発信している山本さん。JR琵琶湖線や草津線、近江鉄道八日市線など、全国9路線の鉄道シミュレーターを手がけ、データ作成に疲れると気分転換に80分の1サイズの鉄道模型を紙で作るという、正に「鉄道」に人生のすべてをかけているような青年だ。
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昨年10月に公開9周年を迎えた、人気ブログ「のんびり無駄遣い雑記」を発信している山本さん。JR琵琶湖線や草津線、近江鉄道八日市線など、全国9路線の鉄道シミュレーターを手がけ、データ作成に疲れると気分転換に80分の1サイズの鉄道模型を紙で作るという、正に「鉄道」に人生のすべてをかけているような青年だ。
自宅の側をJR草津線が通る環境の下で生まれ育った山本さん。幼稚園入園前から鉄道に関心を持ち、父親から鉄道関係の図鑑やビデオ、玩具などを与えられ、一日中遊んだり絵を描いたりしながら電車の運転士になることを夢見ていたという。
近所に住む祖母の家に電車運転士体験ゲーム「電車でGO!」があり、3歳ころになると従兄弟が楽しむ様子を横で見たり操作をしたりして、一緒に楽しむようになった。あるとき従兄弟が運転操作を誤り、電車が車止めに衝突して乗客が悲鳴声を上げた。その声がトラウマとなり、それ以来ゲームをしなくなったが小学校4年生のとき、父親からパソコン版「電車でGO!プロフェッショナル2」を買ってもらい、趣味の再スタートとなった。
路線も車両の種類も多くなり山本さんはゲームの面白さにますますのめり込んでいった。あるとき鉄道関連動画を見ていると、誰でも自由にアドオン※1が制作できる鉄道運転シミュレーターのフリーウェア、「BVE」※2の紹介が目に留まった。
鉄道運転シミュレーションゲームは、2000年前後に鉄道各社からも発売され一大ブームとなったが、3DCGを用いた鉄道運転ゲームBVEの登場は、運転に興味のある鉄道ファンには革命的だった。ユーザーがプログラムに則った独自の鉄道路線を作成したり、そのデータを公開したりすることもできるのだ。
高校在学中の16歳のとき、BVEによるシミュレーターの制作に取り掛かった山本さんが初めて選んだ路線は、幼いころから慣れ親しんだJR草津線(草津駅~柘植駅間)だった。運転席から見た沿線風景や標識・駅・建物など、写真に収めた数は約3000枚。踏切や建物の細部など電車の中からでは分からない場所は、現地を確かめるため自転車や徒歩で調べることも度々だった。
画像編集には路線の勾配や曲がりなどが記載されたマップデータや音声入力作業など、膨大な時間がかかる。モチベーションを持続するのは難しいと山本さんは話すが、ダウンロードしたファンから「素晴らしい」「頑張ってください」「新作も楽しみ」などといったメールが来るのが一番嬉しいと話す。
※1 ソフトウェアに新たな機能が増やせるプログラム
※2 mackoy (小島崇氏)が制作した鉄道運転シミュレーターのフリーウェア Bve trainsim の略称
現在9路線の路線データを公開しているが鉄道模型制作にも力を入れている。自分で設計した80分の1の展開図を見ながら、パンタグラフと車輪以外全て紙製の手作り電車だ。
山本さんが所属する守山鉄道同好会では年に4~5回イベントが行われ、鉄道運転シミュレーター前にはいつも長い行列ができるといい、BVEや鉄道模型などの話題を発信しているブログ「のんびり無駄遣い雑記」は海外ファンも多く、ブログを通じて友好を深めているという。
現在山本さんは事情あってフリーターとして仕事をしているが、鉄道関係に携われるような仕事に就きたいと思いを馳せる。
(取材・髙山)
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MAIL: mc220_78-1@yahoo.co.jp
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