トランペット奏者 森下 智稔さん(大津市出身・41歳)
音楽と縁のない幼少時代から一転、中学でトランペットに出合い、クラシックの奏者に登りつめた森下智稔(もりしたのりとし)さん。今、気鋭の奏者として注目を浴びている。
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音楽と縁のない幼少時代から一転、中学でトランペットに出合い、クラシックの奏者に登りつめた森下智稔(もりしたのりとし)さん。今、気鋭の奏者として注目を浴びている。
森下さんは幼少のころから音楽教育を受けてきたわけではなかった。幼稚園のころ、母親からピアノを勧められたが「ピアノは女の子がやるもの」と拒否。小学 校高学年で今度はバイオリンを勧められたが、遊びの方が楽しくて再び拒否。元気に遊び回る“普通の子ども”として育った。
音楽への関心が芽生え始 めたのは、中学校の吹奏楽部でアルトサックスを吹く姉の姿にあこがれたから。音楽の授業でリコーダーを学ぶようになり、楽器に興味を持つようになった。中 学では運動系の部活を志望したが、入りたいと思っていた体操部がなかった。無いのなら作ろうと考えて頑張ってみたが、顧問を引き受けてくれる先生がいなく て断念。姉が所属していた吹奏楽部に入部した。
40人ほどの部員のなかで、男子は3~4人。男子は金管楽器をやるのが暗黙のルールで、残っていたパートはトロンボーンとトランペットだった。友人が先にトロンボーンを選んだので、トランペットを吹くことになった。
「小学校6年のときにアニメ『天空の城ラピュタ』が公開され、主人公がハトに向かってラッパを吹くシーンをかっこいいと思っていたので、まあいいか……と思いました」
始めてみるとトランペットが性に合っていたようで、演奏する楽しさ、音楽の素晴らしさにどんどん目覚めていった。
中学の吹奏楽部では部長まで務めたが、レベルは決して高いとはいえなかった。高校はハイレベルな吹奏楽部があるところを希望し、比叡山高校へ進学した。高校では朝練に加え夜8時ごろまで練習する吹奏楽漬けの生活を送った。
ト ランペットの腕を磨こうと元京都市交響楽団トランペット奏者の有馬純昭(ありますみあき)氏から個人レッスンを受けた。そこで「芸大進学のためか、単なる 技能上達のためか」を選ぶ必要に迫られた。「挑戦できるものならやってみよう!」と芸大受験を決心。しかし芸大の試験にはピアノの他、音を楽譜に書き取る 聴音、音楽理論、楽譜を見て正しく歌う視唱がある。すべて一からのスタートだった。部活以外に個人レッスンを三つ受けて猛勉強し、京都市立芸術大学に見事 合格し
卒業後はプロとして精力的に活動。2016年3月20日にはしがぎんホールで「森下智稔 金管五重奏の魅力」を開く。共演は、同じく滋賀県出身のトロン ボーン奏者・矢巻正輝(やまきまさてる)氏など関西のオーケストラ等で活躍する実力派たち。5人程の合奏スタイルが、一人ひとりの個性とそれらが響き合っ た音色の素晴らしさの両方をもっともよく表現できるという。
当日はポピュラーも含めたプログラムを用意。音の響き合いが生み出す感動を届けたいという。
(取材・越智田)
森下智稔 金管五重奏の魅力
【出演】森下智稔、福田裕司(トランペット)、澤嶋秀昌(ホルン)、矢巻正輝(トロンボーン)、北畑聡子(チューバ)
●開催日:2016年3月20日(日)
●場所:しがぎんホール(大津市浜町1‐38 滋賀銀行本店2F)
●開演:14:00
●料金:一般3,500円 学生2,000円 ※全席自由
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