助産師 渕元 純子さん(大津市在住)
出産介助だけでなく妊娠段階からのサポートや、地域社会での健康カウンセリングまで幅広い役目を担う助産師。大津市の助産師・渕元純子(ふちもとじゅん こ)さんは妊婦に限らず、若者から更年期の女性の悩みにまで相談に乗る「子育て・女性健康支援センター」を創設し、高校の性教育や「初めてのパパママ教室」、「孫育て教室」などを通じて、子育ての楽しさを伝えている。
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出産介助だけでなく妊娠段階からのサポートや、地域社会での健康カウンセリングまで幅広い役目を担う助産師。大津市の助産師・渕元純子(ふちもとじゅん こ)さんは妊婦に限らず、若者から更年期の女性の悩みにまで相談に乗る「子育て・女性健康支援センター」を創設し、高校の性教育や「初めてのパパママ教室」、「孫育て教室」などを通じて、子育ての楽しさを伝えている。
渕元さんは、関東での大学病院勤務を経て、1992年、結婚を機に大津市内の個人助産院に移った。そのとき、先輩助産師に誘われて滋賀県助産師会に入ったことで他の助産師とのつながりができ、女性や子どものために何かをしたいとの思いが大きくなっていった。
出 産や育児に関する情報は本やネットでいつでも得られるが、多すぎる情報がかえって妊婦を混乱させる。「母乳は出るか」「陣痛に耐えられるか」「ちゃんと産 めるか」と悩みは尽きない。「24時間母親でいなければ」と思うとストレスも大きい。渕元さんは「大切なのは指導するのではなく、『こんな方法もあるよ』 とサポートすること」だと言う。
99年、県助産師会のメンバーと共に「子育て・女性健康支援センター」を創設し、センター長に就任。匿名の無料電話相談窓口を設置し、若い人から更年期の人まで、悩む女性に寄り添う活動を始めた。
支援センターの電話は鳴り続けた。今の社会では、きょうだいや親戚が少なく、自分が出産して初めて赤ちゃんを抱く人が多い。相談する相手は少ないのだ。渕 元さんは現場サポートの必要性を痛感し、2002年に訪問出張支援専門の「ふちもと助産院」を開設した。出産する施設ではなく、訪問して相談に乗る助産院 だ。
妊娠・出産以外の相談もあり、子どもを虐待している親の悩みに耳を傾けて元気にするのも大切な活動の一つになっている。
「産後うつの 女性も多いですね。産後うつのせいか、2人目は絶対いらないと言っていた女性が、相談に乗っているうちに気持ちが変わり、2人目を産んで『産んでよかった ! 』と言ってくれました。2人で喜びを分かち合い、この活動をやっていて良かったとつくづく思いました」
高校で親になることや子育てについての授業も開いている。大津市の「初めてのパパママ教室」や「初めて祖父母になる人のための孫育て講座」も好評だ。
日本助産師会の理事も務め、12年の母子健康手帳の改定に携わり、家族の歴史が分かるように妊娠中や出産後に母親が書き込めるスペースを増やした。
多方面にわたる活動が評価され、昨年、母子保健の発展に貢献した人を表彰する「第36回母子保健奨励賞」(母子衛生研究会主催、毎日新聞社など後援)のNHK賞に選ばれた。
「滋賀は若い世代が多い。子育てってこんなに楽しいんだ、と若い世代に伝えるイベントをもっと増やしたいですね」
(取材:2015年8月・鋒山)
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