アマチュア写真家 久木 康裕(ひさき やすひろ)さん
(彦根市在住・74歳)
県内で8店舗を展開するスーパーマーケット マルゼンの代表取締役だった久木康裕さん。2012年2月、平和堂の子会社化に伴って退任し、翌々月には写真の技術を身に付けたいと成安造形大学に入学した。在学中から県展に入選するなど実績を重ね、アマチュア写真家として充実した人生を送っている。
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県内で8店舗を展開するスーパーマーケット マルゼンの代表取締役だった久木康裕さん。2012年2月、平和堂の子会社化に伴って退任し、翌々月には写真の技術を身に付けたいと成安造形大学に入学した。在学中から県展に入選するなど実績を重ね、アマチュア写真家として充実した人生を送っている。
42歳のとき、奥さんと二人でメキシコ観光に出かけた久木さん。マヤ文明の遺跡が残る古代都市ウシュマルで見たピラミッドに圧倒され、記念写真も程々に夢中でシャッターを切った。
帰国後現像所の人から「(新聞社主催の)コンテストに出してみたら?」と声を掛けられた。迷いはしたが応募するといきなり入選。今までカメラは家族の記念に撮る程度だったが、一気に火が付いた。「ひょっとしたら、素質があるかもしれへん」
久木さんは県立八幡商業高等学校を卒業すると、大津の鮮魚店で一年間奉公しその後株式会社丸善に入社した。
1947(昭和22)年6月、父親の久木善治郎さんが犬上郡豊郷村(現・豊郷町)で食料品店として創業し、後に湖東地区を中心に8店舗を展開するスーパーマーケットのマルゼンだ。
父親の死去に伴い37歳で代表取締役に就任し、多店舗展開するなど業績を伸ばしていったが、拡大と共に後継者問題を真剣に考えるようになった。
「マルゼンは公器であり久木家のものではない。経営者はここ一番という時に的確な判断を下せる人間がふさわしい」と話す久木さん。4人の子宝に恵まれ黒字経営だったが、2012(平成24)年、平和堂に後を託すことにした。
2012年2月に退任するや、同年4月に成安造形大学芸術学部メディアデザイン領域に入学した。撮影技術を基礎から学び、カメラと共に新たな人生を有意義に過ごす出発点と位置付けていたからだ。
Adobe Photoshop(フォトショップ)などの画像編集ソフト一式を買い揃え授業に臨んだが、何しろパソコンの使い方が分からない。先生から教えてもらってもすぐに忘れる。理解はできるが用語が分からない。仕方なく旧知の友人を頼り、どんなことでも何度でも気軽に聞ける地元の人を紹介してもらうなどして勉学に励み、なんとか4年で卒業した。
大学では映像中心のカリキュラムだったため、久木さんは改めて京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)通信学部写真コースに入学し、4年間テクニックを学んだ。
在学中から県展などの写真コンクールに出品、今までに県展4回、二科展1回入選を果たし、今年6月には大津市写真展で準特選を受賞した。
「人それぞれ表情が違うように、風景も時間によって景色が変わります。待ち続けた後に訪れる被写体との出合いの一瞬をいつも楽しんでいます」(取材・髙山)
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