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「地域共学」の精神のもと 自立に向けて学ぶ生徒たち

掲載日: 2024.12.2

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県立愛知高等養護学校の皆さん

県立愛知(えち)高等養護学校の生徒たちが作った野菜やパン、布製品などを販売する恒例行事「あいあいフェスタ」。
地域の人たちが毎年楽しみにしている催しで、野菜の収穫やパン作りなどの体験ブースも設けられ一日中賑わったが、そこには地域に応援され応援し合う生徒45名の輝く姿があった。

 

「地域に受け入れられる学校」から「地域と共に学ぶ学校」へ

多くの人が詰めかけた

食品加工コース パンの成形

あいあいフェスタ開催当日、開場前から大勢の客が長い列を作った。客の一人は「この学校の生徒さんが育てた花苗は丈夫で可愛い。『運びましょうか?』と声もかけてくれる」「パンは美味しいし、バッグも世界に1つの作品。生徒さんの顔も覚えている」と話し、生徒たちと会うのが楽しみな様子で話してくれた。
「これまでずっと学校は地域の人たちにあたたかく受け入れてもらってきましたが、生徒たちにも幅広く地域の人たちとふれあい内面的な部分を育んでほしい」という先生方の思いから、今回地元の観光協会や社会福祉協議会、地域コーディネーター、ボランティア、事業所などの協力を得て、従来の生産品の「販売会」から「あいあいフェスタ」とスタイルを変えて開催した。

自立につながる学校での学び

食品加工コース パン販売の様子

テキスタイルコース ワークショップの様子

しごと総合科には3学年45名の生徒が在籍しており、1年生は全員「農業」を履修し2年生からは興味や適性に応じて、「農園芸」「食品加工」「テキスタイル」の内1つを専攻する。日々の実習に加え企業や事業所での就業体験を経て、卒業後就職し自立して生活できる力を学んでいる。
農園芸コースの生徒たちは、「暑い日も寒い日も畑で作業をするのは大変。でも仲間と一緒だから頑張れる。丁寧に土を耕し種をまき虫を駆除する。体力も集中力も身についたと思う」と話す。食品加工コースの生徒たちは、「工房で、日替わりの『今日のリーダー』が指示を出すと皆一斉に返事をする。はっきりと指示や返事をすること、正確に計量し見栄えよく成形すること、すぐ片付けることを心がけている。学んだことが役だつ仕事がしたい」と話す。テキスタイルコースの生徒たちは、「刺繍や織物など、自分の得意な制作技法を活かせるアイディアを出し合う。お客さんが魅力的だと思ってくれる商品を考えて作り、実際に売れたときはとても嬉しい」と話す。

自立の先の、「みんなの居場所」

農園芸コース 地域の子どもたちの収穫体験

農園芸コース 今日を振り返って

フェスタでは毎回卒業生たちが近況報告も兼ねて母校を訪れる。先輩たちの立派な姿を見て後輩たちも育っていく。たくさんの人に応援されやがて応援する側になり、自身の進路を切り拓いて地域と共に「みんなの居場所」を作る。
先生方の熱量も生徒たちに負けないくらい熱い。「生徒たちにとって良いものをたくさん経験させたい。失敗も成功も含めたくさんのことを感じとってほしい」
日々の地道な取り組みの成果がフェスタの成功という形で終了し、生徒たちと先生方が達成感を分かち合う場面は、レンズには納めきれない輝く瞬間ばかりだった。(取材・坪田 彩)

 

●お問い合わせ
県立愛知高等養護学校
滋賀県愛荘町愛知川102番地
TEL:0749-49-4000
e-mail: echiko-sh@pref-shiga.ed.jp

 

 

 

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