立体イラスト・似顔絵人形 宝里果摘さん
立体イラスト・似顔絵人形
宝里果摘さん(43歳) (ほうり かつみ)
大津市在住
今回は、立体イラストを制作しておられる
宝里果摘さんをご紹介。
※立体イラストとは、粘土などのいろんな素材を使ってイメージを立体にし、写真撮影して使う作品のこと。広告、出版、各種印刷物のほか、ディスプレイやイベントの商品などでも使われる。
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立体イラスト・似顔絵人形
宝里果摘さん(43歳) (ほうり かつみ)
大津市在住
今回は、立体イラストを制作しておられる
宝里果摘さんをご紹介。
※立体イラストとは、粘土などのいろんな素材を使ってイメージを立体にし、写真撮影して使う作品のこと。広告、出版、各種印刷物のほか、ディスプレイやイベントの商品などでも使われる。
20年前の結婚を機に大津に住む。湖岸沿いが好きでよく散歩するという宝里さん。その感性はこの地に養われるものであるかもしれない。今の仕事をするきっかけは、12・3年前。ご主人が広告会社のプランナーで、デザインの本が家の中にたくさんあった。たまたま立体アートの本を見つけて、やりたい!と一存で始める。その後、独学で勉強し、去年まではデザイン会社に勤めながら、立体アートの作品作りをしていた。そして、今年から自宅で立体アートに専念することに。「粘土工房 ねこまんま」と名づけ、ホームページでは、エッセイを連載するなど、才能は多彩だ。作品作りには、ご主人のアドバイスも貴重だという。
今では生きがいとなった、粘土作りの魅力は、平面の絵よりもリアルになること。今開かれている個展で、宝里さんの文章がまた絶妙な味を出している。作品に付いている説明書きを読むとさらに作品がリアルに見える。
始まりにしてもそうだが、宝里さんのすごいところは、思い立ったときの行動力。宝里さん曰く、「お笑い系男性版ドールハウス」を作っている粘土作家のかとうかずおさんに出会った時も、押しかけの弟子のように教えてもらいに行った。そのかとうさんに「もっとギャグのセンスを磨け」「作品を見て1発で笑わさないと」と指導を受け、ネタ帳を持ち歩く。生活や道端のおもしろいところを見つけては、服の柄まで頭にインプットし、イメージして作る。似ているだけの人形ではおもしろくない。いかに宝里さんらしくデフォルメし、面白さを引き出して味にしていくか、が課題。1体5日~1週間もかかる作業。「いかにおもしろくするか。笑ってもらってなんぼ。」「笑って気持ちを温かく、楽しいと思ってもらう瞬間を作りたい。」と言う。丁度、来展されたお客様から「ほっとする」という言葉をもらったそう。「こういう言葉をもらうことが一番うれしい。」
アートの世界は厳しい。若い人の感性が、次から次に出てくる世界だ。宝里さんでしか表現できないものを作るために、もっとうまくなりたいと意欲は大きい。
有名人の似顔絵人形もおもしろいが、宝里さんの主要な作品は2つだ。
1つは、自身の子供時代の経験が作品になっている、グミちゃんシリーズ。両親が自営業だったために、兄と商店街の人たちに育てられた。そのときの温もり・昭和40年代という温かい時代を作品によって伝えたい。そしていずれは、本にするのが夢。
2つ目は、ありのままのおばちゃんの姿を作品にしているおばちゃんシリーズ。自信をなくしがちな若い世代の人にも、ありのままを目にしてもらうことによって、ありのままで生きてほしいと言う願いがこめられている。「現役のおばちゃんでなければみえないものを表現していきたい。」と言う。おばちゃんシリーズのネタ探しの為に、大阪へ行くという宝里さん。そして、いずれは、おばちゃんのメッカ・大阪で、おばちゃんシリーズの個展を開くのが夢。本場のおばちゃんに厳しいコメントを聞きたいのだそうだ。
年齢関係なく伝えたいことは、「やりたいことをし、楽しくあきらめないで生きよう。」やりたいことをやる。簡単そうでなかなかできないもの。でも、基本は至ってシンプルな行動力なのかもしれない。「嫌なことがあっても、どう笑いに変えていくか、と考えるようになった。この仕事を通して、発想の転換がうまくなってきた。」と言う。
思いつきの人生だと宝里さんは言うが、自分の感性に素直に生きている、それだけのように感じた。「前向き」という言葉は、宝里さんのような人に当てはまるのかもしれない。
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