笑四季酒造 竹嶋 加奈子さん
笑四季酒造(えみしきしゅぞう)
竹嶋 加奈子さん(24歳)
今回の素敵な人は、県内で初めて花酵母を使ったお酒を醸造した竹嶋加奈子さん
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10月1日、笑四季酒造からお花の日本酒が発売された。
ほんのりと甘い花の香り、すっきりとした後味。その名も「うらら花」。まるで女性のために作られたようなお酒。それもそのはず、このお酒を造ったのは、24歳の竹嶋加奈子さん。日本酒になじみのうすい女性にも飲みやすいお酒を…と、しゃくなげの花酵母を使って醸造した。
加奈子さんは笑四季酒造・竹嶋建三社長の二女。県内の高校を卒業後醸造を学ぶため東京農業大学へ進学。そこで花酵母を使ったお酒に出会う。花酵母は、同大学の中田久保教授が研究開発したもので、非常に貴重な菌株。花酵母で発酵させたお酒は、一般の清酒もろみを使ったお酒とは違う新しい味。初めて口にした加奈子さんは、まろやかな味にびっくり。そして、「こんなに飲みやすくておいしいお酒を、ぜひ水口で造りたい!」と、教授にお願いしてしゃくなげの花酵母を譲り受けて帰郷した。
さっそく実家の酒蔵で杜氏の秋山豊さんに新しいお酒のことを話したが、創業明治25年の老舗の杜氏でも、さすがに花酵母を扱うのは初めて。しばし思案したが、加奈子さんとともに新酒の開発に挑戦することにした。
加奈子さんは、大学では簡単な仕込みながら、お酒や、味噌、しょうゆなどを醸造した経験がある。しかし本格的な仕込みは初めて。なんども東京の教授に相談し、杜氏と醸造を続けた。そして試行錯誤の結果、ようやく新しいお酒が誕生。加奈子さんは、「とてもおいしいお酒ができて本当にうれしい。杜氏と教授のおかげです」と、はにかむような笑顔。杜氏の秋山さんも「いいお酒ができた」とできばえに満足。
加奈子さんは、麗らかな花のようなお酒という意味で「うらら花」と、名づけた。
日本酒ブームの火付け役に
「うらら花」に使われている花酵母は、しゃくなげの花から分離したもの。しゃくなげといえば滋賀県の花。「うらら花」が滋賀を代表するようなお酒になり、たくさんの人に飲んでもらえたら…加奈子さんの夢は広がる。
発売から2ヶ月ほどが経つが売り上げは順調。次は、アルコール度数の少ない日本酒の「入門酒」を造る予定。新しいお酒の誕生が楽しみだ。
(取材・鋒山)
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