打楽器奏者 宮本妥子さん
今回の素敵な人は、国際コンクールでも数々の賞を受賞され、世界的にも活躍されている打楽器奏者の宮本妥子(やすこ)さん。(35歳・大津市出身)
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打楽器というと小学校の小だいこ、大だいこ、木琴、トライアングル・・・と様々な楽器が思い浮かぶのですが、ソリストとして世界的に活躍される宮本さんが演奏される楽器とはどんなものなのでしょう?
打楽器というと実に幅広いのですが、実際に演奏される楽器も本当に様々。
打楽器コンチェルトともなれば、オーケストラの前に、30種類以上もの楽器をセッティングし、それを一人で360度動きまわって演奏されるんだそうです。
下の写真は、セッティングの様子ですが、使用されている楽器はマリンバ、ビブラフォン、ティンパニ、ドラ、ゴング、アルミホイル、カウベル、木魚、メタル・・・・。
ひとつの楽器を演奏される他の奏者と比べると、必要な楽器を集め、セッティングし、楽譜を製本するという準備の段階がとても大変なのだそうです。
宮本さんが音楽を始められたきっかけは、木琴が好きというお母様の影響。6歳から、同じ打楽器奏者のお姉さんとともにマリンバを習い始められました。そして中学生時代に静岡から大津に来られ、その後石山高校へ入学。
ずっとマリンバひとすじに音楽の道を進まれていた宮本さんが、他の打楽器に出合われたのは同志社女子大学時代。当時、大阪フィルハーモニー交響楽団のティンパニー奏者であった恩師中谷先生にお会いしたことにはじまります。
いろいろな楽器をかき集めて一人で演奏するおもしろさや、打楽器だけでも音楽を奏でられるという魅力にとりつかれ、とにかく夢中だったそうです。同志社女子大学専修生を終え、もっと打楽器を知りたい、もっとソロの勉強をしたいという思いから、94年4月ドイツへ留学。 以降10年間、ドイツのフライブルグを拠点に活動をされています。
ドイツでの生活で日本と大きく違うのは「時間の流れ」。豊かな自然に囲まれ、ゆったりと流れる時間の中で生活することは、宮本さんにとって勉強とは違った意味で得るものが大きいとおっしゃいます。
世界各国で演奏され、絶賛される宮本さんの演奏。華奢でかわいらしい雰囲気の宮本さんがどんな演奏をされるのだろう?と期待もふくらみます。
来たる9/10(金)には今年で4回目となる「琵琶湖の夏 現代音楽祭」に出演。これは宮本さんが、石山高校の先輩でもあるピアニストの稲垣聡氏とともに毎年プロデュースされているもので、「同時代の作曲家と向き合ってみよう」と現代音楽を取り上げて行われています。
今年はアテネ・オリンピックにちなんで、ギリシャの偉大なる作曲家イヤニス・クセナキスを特集。ギリシャの匂いが感じられるかもしれませんね。「堅苦しく考えずに、是非お気軽に来てくださいね。」と宮本さん。
またH16年・17年の地域創造登録アーティストとして登録されている宮本さんは、年末から来年にかけ国内5箇所での活動もひかえておられます。うち2箇所は県内で、12/2~4には朽木、来年2/9~11には木の本で、演奏とワークショップなどの催しが計画されています。
先日京都で行われたワークショップでは、子供たちといろんな物で音を出すことを楽しみ、ストーリーに沿ってその場面のイメージに合った音を出してお話をつくりあげていくという試みをされたそうです。子供たちはすっかりお話の世界に入り込み、とても素敵な体験をしたようですよ。
宮本さん自身も世界各国で演奏することで「言葉は通じなくても、音楽は世界中の人と通じ合える。本当に音楽ってすばらしい!」と改めて実感しておられます。そのすばらしさを子供たちや多くの人にわかってほしいと、しばらくは国内で様々な活動をされる予定です。
取材をさせていただいて、素人の質問にもひとつひとつ丁寧にわかりやすく答えてくださる宮本さんのお人柄を感じました。今後のますますのご活躍をお祈り致します。
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