段ボールアート 田中 和之さん
段ボールアート
田中 和之さん(51歳)
今回の素敵な人は、段ボールアート作家の田中和之さん。本業は青果店「十八番フルーツ」の店主。店2階にあるギャラリーを訪ねた。
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彦根市の商店街の一角にちょっと変わった果物屋さんがあると聞いて訪ねてみた。「十八番フルーツ」と看板のあがる普通のお店のようだが…2階の窓を見てびっくり。キリンやトトロがこちらをのぞいている!?
これらの作品は、店主の田中さんが作った「段ボールアート」。早速2階に上がってみると、そこは、アニメのキャラクターから動物、靴などが並ぶギャラリー。茶箪笥や将棋などは、「本当に段ボール?」というほど本物そっくり
田中さんが「段ボールアート」を始めたきっかけは、友人が持っていた信楽焼の壷。ひと目見てすばらしい作品だと思ったが、高価で買えない。
それなら自分で作ってみようと、思いついた素材が段ボール。普通なら、段ボールで壷を作るなんて考えつかないのだが、そこは果物屋さん。梱包に使われた大量の段ボールを見てパッとひらめいた。子供のおもちゃを手作りしてきた田中さんにとっては自然な思いつきでもあった。
「段ボールアート」は見本があるわけでなく、田中さんが試行錯誤をくり返し独自の方法で作った。
「段ボールの特性を生かしてイメージ通りの形を作り上げるところが醍醐味です。仕上げのニスや絵の具の使い方次第で木の素材感まで表現できます」と田中さん。
工夫すればなんでも作れるおもしろさから、ますます「段ボールアート」にはまったという。
こうして8年余り、果物屋さんのギャラリーは話題となり、たくさんの人が訪れるようになった。放課後になるとカロムやオセロ(もちろん段ボール製)で遊ぶ子どもの姿も見られる。
市内にある小学校や地区の公民館に呼ばれて「段ボールアート」の講師を務めることもしばしば。
「世界でたった一つのものを作る…そんな『ものづくりの楽しさ』を伝えたい」と田中さん。次はどんな作品と出会えるか、ギャラリーを訪れるのが楽しみだ。
(取材・川上)
(1)ネタさがし
買い物をしているときなど、いつもダンボールでつくってみるネタについて考えています。
(2)形をとる
縦目、横目を工夫しながらガムテープで止め、形をつくっていく。
(3)のりで貼る
ハトロン紙をよくもんで和紙のような状態にし、表に貼っていく。
(4)着色
のりが乾いたら着色します。水性ニスを塗ったあと油性ニスを塗ると木の素材感が出るなど、色づくりもその時々工夫してやってみます。
手順を追えばこんな感じですが、要はひとつひとつ自分で確かめながらやってみることです。
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