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掲載日: 2006.02.16

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龍谷大学経済学部教授 岡地 勝二さん

龍谷大学経済学部教授
岡地 勝二さん (63歳)
(おかちかつじ)

今回の素敵な人は、以前、「心のページ」でも紹介した岡地勝二さん。龍谷大学の経済学部教授で、経済に関する本を多数執筆、最近はテレビ出演も。また、刑務所に服役中の収容者に社会復帰のための講義をボランティアで行うなど活躍している。

アメリカ仕込みの国際感覚と人情深さで学生に人気

岡地さんは1965年にロータリークラブの留学生としてジョージア大学に留学したのを皮切りにアメリカでの生活が長い。アメリカ仕込みの国際感覚の豊富さに加え、貧しい子供の頃の生活体験から大変人情深い人柄をしている。それゆえ龍谷大学の「岡地ゼミ」の人気は高く、在学生はもちろんのこと、卒業生からも慕われている。

子供の頃のみじめな経験を人生のバネに

岡地さんは1942(昭和17)年生まれ。一家は戦争で家を失い、愛知県の山奥に疎開した。夫婦不仲で父親が家出したため、厳しく貧しい生活だった。子供の頃、近所の人が持ってきてくれた「おこげ」のご飯の味が今でも忘れられないという。中学卒業後、家計を助けるために弁護士の書生などをして夜間高校へ通った。その後、奨学金を受けて大学に進学、アメリカ留学を経て大学教授になった。
「子供の頃のみじめな経験が人生のバネになっている」「多くの人の好意のおかげです」と、岡地さんは爽やかに言ってのけるが、そんな簡単なもので無いことは言うまでもない。

学生たちが大好きだから教育の道へ

特別にゼミの様子を取材させていただくことになり、龍谷大学の深草キャンパスを訪れた。受講生は2回生ばかり23名。講義の後半は経済学だけでなく3回生になって本格的に取り組むことになる就職活動についても話が及んだ。
「とにかく学生たちが大好きだから教育の道に進んだ」という岡地さん。ゼミが終わると学生たちを研究室に招いて一緒に昼食をとる。
「春休みの予定は?」「最近読んだ本は?」など、話題は様々。「学生の間に、人生を変えるようなすばらしい人物にたくさん出会うことが大切」と、学生一人ひとりの進路に気を配る言葉が印象に残った。
岡地さんは経済学の本だけでなく、小説も書いており、平成15年に滋賀県芸術文化祭で文芸出版賞を受賞した。「経済学にウソや空想はあってはならないが、小説の世界は自由。言葉ひとつで人に感動を与えられる小説家にあこがれる」とのこと。
帰り道、京阪電車に揺られながら「人との出会い」の大切さをかみしめた。
(取材・白崎)

岡地先生経歴

関西大学経済学部在学中にロータリークラブの留学生としてジョージア大学に留学。卒業後、(株)ミノルタカメラ貿易部に勤務。その後、ジョージア大学大学院にてM.A.を取得。名古屋市立大学大学院で学んだ後、フロリダ州立大学大学院にて博士号を取得。大学院卒業後は、ヒューストン大学で1年間教育と研究に従事。現在、龍谷大学経済学部教授。経済学博士(京都大学)。近江八幡市在住。

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