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掲載日: 2006.06.14

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木工作家 北川高次さん

木工作家
北川 高次さん(45歳)
(きたがわこうじ)

今回の素敵な人は、日野町在住の北川高次さん(45歳)。全国でもめずらしい漆を扱う木工作家として活躍する一方、日野椀の復興と普及に力をそそぐ。

伝統工芸品から現代の漆器へ

日野椀は室町時代から江戸時代初期にかけて日野町で生産された漆器で、日野商人によって全国に販売されていた。その後、売り歩く商品が薬に変わったことから姿を消したが、数年前に結成された「日野椀復興の会」によって再現が模索されていた。そして3年前に会の中心メンバーである北川さんが「新・日野椀」の開発に成功。熱や乾燥に強い漆器として注目を集めている。

きっかけは人間国宝の作品修復

北川さんは食器戸棚や机といった家具類から、家までもデザイン・製作する木工作家。全国でもめずらしい漆を用いた作家として活躍中だ。
漆を扱うようになったのは人間国宝の故・黒田辰秋氏が作った文机の修理を依頼されたことがきっかけ。完璧な修復を決意した北川さんは、黒田さんの息子である丈二さんが跡を継ぐ無碍山房で修業を積み、腕を磨いたという。

食器洗い乾燥機でも使える漆器

「新・日野椀」の開発に取り組んだのは3年前のこと。北川さんが住む日野町では、毎年春と秋に「桟敷窓アート」という地元工芸作家の作品が展示・即売されるクラフト展が開催される。そこで北川さんの作品に魅せられた幼稚園の先生から「漆器で給食用のお椀を作ってほしい」と依頼されたのがきっかけだ。漆は熱や水に弱く、一般向けの食器ではない。一度は断りかけたものの、その頃開発されたばかりの「MR漆」のことが頭にひらめいた。新技術によって精製された「MR漆」は変色しにくく、熱や乾燥にも強い。これなら給食用に使えるのではないか……北川さんの試行錯誤が始まった。

妥協を許さず

愛弟子・小高諒さんと

「どんなにいいMR漆でも、木地と漆の間にすき間があったらすぐに壊れてしまいます。木地選びは妥協できません。そして塗りは最初が大事。刷毛を使ってしっかりと塗り込みます」と北川さん。多いものでは20もの工程を経るという。
ようやく完成した「新・日野椀」は食器洗い乾燥機でも使えるほど丈夫だ。また子供用にはひっくり返ってもすぐに元に戻る「だるま効果」や、小さな手でも安定して持てる工夫など、三児の父でもある北川さんならではの優しさが随所に盛り込まれている。
「昔のように日野椀を日本中で使ってほしい」と北川さん。さらなる新商品開発が楽しみだ。
(取材・高井)

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