とよさと快蔵プロジェクトの皆さん
今回の素敵な人は、豊郷町で空き家や空き蔵を生かしたまちづくりに取り組む、滋賀県立大学の学生グループ「とよさと快蔵プロジェクト」のみなさん。豊郷町吉田の空き蔵で改修作業中のところにお邪魔した。
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今回の素敵な人は、豊郷町で空き家や空き蔵を生かしたまちづくりに取り組む、滋賀県立大学の学生グループ「とよさと快蔵プロジェクト」のみなさん。豊郷町吉田の空き蔵で改修作業中のところにお邪魔した。
古くから近江商人の町として栄えた豊郷町には、古民家や土蔵が多く残り、風情ある町並みを見ることができる。しかし一方で空き家や空き蔵が増え続け、治安の悪化や取り壊しによる景観破壊が問題となっていた。そこでこれらの空き家・空き蔵を再生して、新しいまちづくりに生かそうと立ち上がったのが、県立大学の学生グループ「とよさと快蔵プロジェクト」だ。
きっかけは2年前にボランティアで古民家の解体を手伝ったことだったという。学生たちは「歴史ある建物を壊してしまっていいのか?有効利用できないのか?」と疑問に思い、プロジェクトを設立した。そして地域住民による「NPO法人とよさとまちづくり委員会」と協力するなど、地元住民と交流しながら空き家や蔵を共同住宅として再生させる活動を開始した。
週末ごとに集まり設計図を作成し、建物の掃除から古い荷物の運び出し、さらにトイレや台所の設置といった内装工事にいたるまで、すべて自分たちで作業した。「わからないことは地元の大工さんに教わりながら、少しずつ改修を続けました」と、代表の中野優さん(県立大学建築学科3回生)。学校の授業では得られない、実際の建築の面白さを知る機会にもなったという。
2004年4月の設立以来、3軒の蔵や古民家の改修工事を手がけ、合計7人が生活する共同住宅として再生することに成功した。
現在のメンバーは約30人。改修作業以外にも地元のお祭りやイベントにも積極的に参加し、学生ならではの斬新なアイデアで盛り上げている。「町の人たちと一緒に考え、一緒に行動し、町にとけ込めたたことが何よりうれしい」と、さらなるまちづくりに情熱を燃やす。設立者である同大学院生の竹岡寛文さんは「本来、まちづくり事業は長期のスパンで行われるものだが、学生は4年周期で入れ替わってしまう。いかに次世代につないでいくかが課題」と話す。
この活動が途切れることなく続き、活気ある町を目指したいとのこと。
現在、改修している蔵はこの秋には学生たちが運営するバーとしてオープンする予定。ライブなどのイベント会場として、また地元の人が気軽に集まる場所としての活用が期待される。
学生たちの新たな活躍が楽しみだ。
(取材・川上)
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