全国を駆け巡る「冬眠お目覚めコンサート」

河野さんが全国各地で開く「冬眠お目覚めコンサート」はとてもユニーク。コンサートホールはもちろん、一般家庭から小学校の体育館、田んぼの中までが会場になる。近江八幡の八幡堀に船を浮かべ、船上でグランドピアノを弾き、江州音頭をジャズで演奏した事もある。
一般に、曲目は映画音楽から童謡、そして河野さん自身の作曲によるナンバーまでさまざま。「ジャズは普通、なじみの薄い音楽なので、誰にでも理解できるように曲目を考えます。話を交えたり、ぼくが歌ったり……できるだけ多くの人が楽しめるように工夫をしています」とのこと。
ピアノさえあればどこへでも出かけていくので「出前コンサート」とも言っている。

古いピアノを目覚めさせる！

河野さんが「出前コンサート」を始めたのは15年前のこと。日本には使われないピアノが450万台もあると知ったことがきっかけだった。森の木を切って作ったピアノを粗末にするのは自然を粗末にすること。古いピアノにもう一度光をあて、音楽を楽しむ心、自然を大切にする心を持ってほしい……そんな願いが込められている。年間約200～300回もの演奏をこなし、実に1年の三分の二が演奏旅行という生活だ。
また1991年の湾岸戦争に衝撃を受け、世界平和にも強い関心を持つようになり、使われなくなったピアノをリサイクルして南アフリカ共和国やケニアなど、海外へ寄贈する活動も続けている。輸送費用などを集めるチャリティーコンサートを開くなど、演奏だけにとどまらない行動力は驚くばかり。

音楽を通じて世界平和を

海外へのピアノ寄贈をきっかけに、1995年からは南アフリカ共和国の子供たちとの交流が始まった。さまざまな人種の子供たちで結成された音楽グループ「レインボースターズ」を招いての国内ツアーも毎年開催されるようになり、国内各地で人気のイベントとなっている。７年前からは長女・明佳さんが毎回ツアーに同行し、活動をサポート。河野さんのよき理解者として手腕を発揮している。

11月に出前コンサート滋賀県へ！

この夏、これまでの活動をまとめた「お目覚めピアノでワッハッハ！～世界をつなぐ『地球ハーモニー』～」を出版した。
「テレビなどで有名になる事やお金をもうける事が『勝ち組』と理解されがちですが、人生は勝ち負けではありません。本の中では私のこれまでの人生で失敗した事や恥ずかしい事などをなるべく正直に書き、皆さんに理解していただくように心がけました」と河野さん。
滋賀県でも今年の11月には出前コンサートを開く予定。
「滋賀県の小学生に言葉をいただき『みんなの琵琶湖いつまでも』と言う曲をつくりました。皆さんで歌っていただけるとうれしいです」と、メッセージをいただいた。
(歌詞は下記に掲載）
身近な自然保護と世界平和につくす河野さんのやさしい人柄が取材を通じて伝わってきた。
（取材・白崎）

『みんなの琵琶湖いつまでも』

地球環境ミニフェアー
かんでんびわ湖ＡＩＤテーマ曲

「みんなの琵琶湖いつまでも」

作詞　滋賀県水口町小学校の皆さん・河野康弘
作曲　河野康弘

１
さざ波(なみ)に　ゆれる　琵琶湖(びわこ)が　好きだ
水鳥(みずどり)が飛(と)び交(か)い　魚(さかな)も泳(およ)ぐ
たくさんの生命(いのち)を　育(はぐく)んでくれる
みんなの大切(たいせつ)な宝物(たからもの)
母(はは)なる琵琶湖(びわこ)　いつまでも

２
山々(やまやま)を　写(うつ)す　琵琶湖(びわこ)が好(す)きさ
緑(みどり)の森林(しんりん)　黄金(こがね)の稲穂(いなほ)
僕(ぼく)たちは自然(しぜん)と共(とも)に生(い)きている
みんなで守(まも)ろう　この地球(ちきゅう)
母(はは)なる琵琶湖(びわこ)　いつまでも

＊たくさんの生命(いのち)を　育(はぐく)んでくれる
みんなの大切(たいせつ)な宝物(たからもの)
母(はは)なる琵琶湖(びわこ)　いつまでも
母(はは)なる琵琶湖(びわこ)　いついつまでも