日本折紙学会会員 黒川紀男さん(66歳・大津市在住)
今回の素敵な人は、「ハローワーク大津」の就職支援ナビゲーター、黒川紀男さん(66歳)。黒川さんには創作折り紙の達人というもう一つの顔があり、今年1月に大津で開かれた「働く人たちの作品展」に出展した「干支」の折り紙で入賞した。
「ハローワーク大津」にお邪魔し、お話を伺った。
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今回の素敵な人は、「ハローワーク大津」の就職支援ナビゲーター、黒川紀男さん(66歳)。黒川さんには創作折り紙の達人というもう一つの顔があり、今年1月に大津で開かれた「働く人たちの作品展」に出展した「干支」の折り紙で入賞した。
「ハローワーク大津」にお邪魔し、お話を伺った。
「ハローワーク大津」の1階に、子供連れでも就職相談できる「マザーズサロン」がある。そこに飾られているアジサイやカブトムシの折り紙は本物そっくり。また取材用にご自宅から持ってきていただいた帆船やバラ、馬などの作品の見事さに目を奪われた。
黒川さんは就職活動を行う人のサポートを務める一方、創作折り紙の達人としても知られている。
「創作折り紙」とは、折り紙作家が独自にデザインし折り方を考案したもの。本物そっくりの出来栄えで、折るのに数日かかることも珍しくない。
黒川さんが「創作折り紙」に興味をもったのは14年ほど前のこと。新聞で吉野一生さん(折り紙作家、故人)の創作作品「ティラノサウルス骨格」や「馬」などを見て、1枚の紙が持つ可能性に衝撃を受けたことがきっかけだった。すぐに創作折り紙の本を取り寄せ、作れそうな作品から挑戦し、次第に腕を上げていった。
折り紙の十二支創作者
※創作者…創作折り紙の折り方を考案・設計した人
・鼠(小松英夫)
・和牛(世浪健)
・トラ(西川誠司)
・兎(ロバート・J・ラング)・龍(前川淳)
・蛇(ジョン・モントロール)
・馬(吉野一生)
・ひつじ(前川淳)
・日本猿(小松英夫)
・雄鶏(中島進)
・犬(小松英夫)
・猪(吉野一生)
特に小さいころから大好きだった「軽飛行機」は、より本物に近いものをとオリジナルの折り方を考案。2003(平成15)年に東京で開かれた折紙学会の競技会で発表し、好評を博した。
「本当によく飛ぶものは私にしか作れないという強い思いがありました。作るのは本当に楽しい」と笑顔で語る黒川さん。子供のころに時間を忘れて飛行機を観察した経験が役に立ったという。それでも正方形の紙から「飛ぶ紙飛行機」を作るのは至難の業で、できるだけ切れ目を入れずに仕上げるために、半年間も試行錯誤を重ねたという。
作品作りのアイデアは、ただ頭で考えるより折り紙に触りながら浮かぶことが多い。「創作折り紙は『折る』『考える』の繰り返しです。他人との競争もありません。ひたすら自分が納得できるものを作るだけです」と黒川さん。完成してからも引っ張ったり曲げたりすることで作品に違う表情が出るところが、折り紙の面白さでもあり奥深さでもあるとのこと
「将来は子供たちに折り紙の楽しさを伝えたい」と黒川さん。終始優しい笑顔で折り紙の楽しさを語ってくれた。
ハローワークで黒川さんの作品はとても人気で、子供たちのあこがれでもある。
(取材:高井)
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