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掲載日: 2007.12.12

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大舩真言さん(30歳・近江八幡市在住)

ルーブル美術館の一角で開催された世界的なアートフェア「Art Paris 2004」に出展し、国際的に高い評価を受けた大舩真言さんが、今回の素敵な人。
国内外で個展を開き、先月、近江八幡市で開催された芸術祭「BIWAKOビエンナーレ」にも出展し、話題を呼んだ。

日本画を専攻しつつバンド活動に熱中

ドラマーをやっていたころの大舩さん

子どものころから絵を描くことが大好きだった大舩さんは、人一倍好奇心が旺盛で、何にでものめりこむタイプだったという。
96年に京都教育大学美術科に進学したころから世界をターゲットにしようと考え、日本画を専攻することにした。世界の前にまず日本のことを学ぼうとしたのだが、学ぶほどに自分の表現したいこととのズレを感じるようになった。
一方で高校生のころから続けていたバンド活動に熱中し、東京や大阪、京都などでライブ活動を展開。CDの発売やラジオ番組に出演するなど活躍の幅を広げていった。

ドラマー、教師、画家と「三足のわらじ生活」

大舩さんの作品「WAVE#23」

ところがあるとき「24時間、自分の中で感じていることはドラムでは表現できていない」と感じ、絵を見つめ直すことにした。
大学の研究科を卒業した01年、琵琶湖の風景をもとに「SKY & SEA」などを発表したところ大きな反響を呼び、絵を大切にする気持ちを一層強くした。京都で開いた個展会場では絵を見た人から「悩みが吹っ切れた」と感想が寄せられ、絵と人が会話していることに気づいたという。
同じころ、中学校の美術の常勤講師として教壇に立つことになり、さらに音楽活動ではメジャーデビューの話が出てきて「ドラマー」「教師」「画家」という「三足のわらじ生活」が始まった。

この絵を描くのは自分しかいない

そんな大舩さんが画家としてだけの生き方を決意したのは「教師やドラマーの代わりはいるけれど、この絵を描くのは自分しかいない」との思いから。03年に京都のカフェで開いた個展会場で「人生が変わった」と言われ、自分の描いた絵が人に与える影響に感動し、情熱が止まらなくなったという。
教師もドラマーも辞めて単身パリに渡って4カ月を過ごし、04年に「ArtParis2004」に出展、05年にはパリで個展を開き、今年はドイツの美術館での企画に参加した。国内でも京都、大阪、東京などで個展、グループ展などに多数参加し、話題を集めている。

より自分らしく描きたい

大舩さんの絵は、水や空気、心など形のないものがより具体化され描かれている。さらに絵だけでなく、絵を鑑賞する空間作りにも力を入れている。
「見た人が自分の内面と会話できる絵です。時間をかけて自分と対話しながらゆっくりとみてほしい」とのこと。
今後の目標を尋ねると「滋賀県は自分の拠点となる場所です。これからも自分の表現にウソをつかず、より自分らしい作品を作り、たくさんの人に楽しんでもらいたい」と話してくれた。(取材・福本)

 

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