シッティングバレーボール日本代表選手田中浩二さん(41歳・余呉町在住)
お尻の一部を床に接触させたままプレーする「シッティングバレーボール」。この競技で今度の北京パラリンピック(障害者五輪)に出場する田中浩二さんが今回の素敵な人。田中さんはなんと、3大会連続3度目のパラリンピック出場。今月6日から始まる北京大会では唯一の県内代表で、活躍が期待される。
余呉町民体育館にお邪魔し、練習中にお話を伺った。
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お尻の一部を床に接触させたままプレーする「シッティングバレーボール」。この競技で今度の北京パラリンピック(障害者五輪)に出場する田中浩二さんが今回の素敵な人。田中さんはなんと、3大会連続3度目のパラリンピック出場。今月6日から始まる北京大会では唯一の県内代表で、活躍が期待される。
余呉町民体育館にお邪魔し、練習中にお話を伺った。
シッティングバレーボールは座った姿勢が基本。飛び跳ねたりすると反則になるのが特徴の障害者スポーツである。ネットの高さは通常より低く男子115㌢、女子105㌢で、基本的なルールは通常のバレーボールと同じ。ルールさえ守れば障害のある人だけでなく健常者も気軽に参加できる。
田中さんが主催するクラブチーム「滋賀サーカス」でも障害者と健常者が一緒にシッティングバレーボールを楽しんでいる。
田中さんは中学校からバレーボールを始め、クラブチームでも活躍していた。しかし10年前、交通事故で大けがをし、左ひざから下を切断。
「ショックな出来事でしたが、家族やバレーボール仲間、友人など、たくさんの人が支えてくれました」と田中さん。
当時、開催されていた長野パラリンピックで障害者アスリート達の頑張る姿をテレビで見て感動。前向きに気持ちを切り替え、リハビリに励んだ結果、事故の半年後には義足をつけてバレーボールもできるようになった。
そんなときに出合ったのがシッティングバレーボール。義足を製作する知人から紹介され、全国大会を観戦した。障害者も健常者も同じコートで懸命にプレーする姿に心を動かされたのだった。
00年(平成12年)には滋賀サーカスを立ち上げ、活動を開始。そしてこの年、日本代表に選ばれ、アタッカーとして世界の舞台で戦うことになった。
田中さんは、子どものころからオリンピック出場が夢だった。シドニー、アテネで開催された過去2回のパラリンピックの舞台に立てたときは心底感動し、「生きていてよかった」と心から思ったという。
今回の北京は3回目ということもあって、緊張もなく自信に満ちあふれている。日本チームも新しい若い選手を加えて、活躍が期待される。「世界の壁は厚いが、良い結果を残せるよう頑張りたい」と日々練習に励んでいる。
「シッティングバレーボールは日本ではまだまだ知られていないスポーツですが、たくさんの人に楽しさを知ってもらいたい」と田中さん。
いつも前向きに生きてきた田中さんの精神力に周囲も勇気付けられる。北京パラリンピックでの田中さんの活躍に心から声援を送りたい。
(取材・鋒山)
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