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掲載日: 2008.10.15

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日本フリーピンポン協会 会長辻本 昇さん(80歳・野洲市在住)

04(平成16)年に特許庁から商標登録された「フリーピンポン」の考案者・辻本昇さんが今回の素敵な人。野洲市にあるフリーピンポン協会「しん・しん」にお邪魔しお話を伺った。

思いやりの心が大切

フリーピンポンは98(平成10)年生まれの新しいスポーツ。従来の卓球台を利用し、卓球より大きなラケットとスポンジのボールを使って4人1組でプレーする。どれだけ長くラリーを続けられるかを楽しむスポーツなので、スマッシュやボレーは禁止。「相手のことを考え、打ちやすいところにボールを返すことが基本」と辻本さん。子どもから高齢者まで、年代を問わず楽しむことができる。

テーマは「健康で長生き」

辻本さんは97(平成9)年、69歳のときに滋賀県レイカディア大学(※)ニュースポーツ科の「新高齢学び花咲く地域貢献講座」を受講。
その講座で「健康で長生き」をテーマにシニア向けのニュースポーツを考案するという課題が出された。
その際に、単に勝ち負けを競うのではなく、高齢者でも楽しくできるものとして辻本さんが思いついたのが卓球だった。
初めは卓球のラケットとボールを使ってどの程度ラリーが続けられるかを試してみた。ところがラケットやボールが小さすぎて、高齢者が長く続けることが難しかったり、ついスマッシュを打ってしまったりすることに気が付いた。
そこで、もう少し打ちやすいものにしようと考えたのが、現在フリーピンポンで使われている、一回り大きなラケットとボールだ。これだと打ちやすく、長く続けることができた。
ラケットの表は琵琶湖をイメージした水色、裏側は目に優しい黄色にし、背が低い人でもラケットが台に当たらないように先端をカットした。
ボールは目で追いやすいように、テニスボールほどの大きさにした。

滋賀県から全国へ

こうして半年かけて開発したフリーピンポンを受講生の前で発表し、実際に体験してもらったところ、参加者からはとても楽しいと好評だった。
98(平成10)年3月、講座の受講を終えると、フリーピンポンの普及を目指し「スポレック会」(現在の日本フリーピンポン協会)を結成、活動をスタートした。
練習は野洲市や近江八幡市で定期的に行われ、ラリーの回数も最初は100回程度だったが練習を積み重ねるごとに500回、1000回と長続きするようになった。
活動は県外にも広がり団体名を日本フリーピンポン協会に改名、福井県・三重県・宮崎県で支部が発足した。
当初20人だった会員は今では195人にもなり、活発に活動を続けようになった。
また今年は、全国スポーツ・レクリエーション祭「スポレク滋賀2008」において初めて全国大会が開催される(場所は野洲市総合体育館)。「この大会を成功させ、フリーピンポンの良さをたくさんの人に知ってもらいたい」と話す辻本さんや会員の皆さんの生き生きとした表情が印象的だった。 (取材・澤井)

※滋賀県レイカディア大学…県内の高齢者(60 歳以上75歳未満)が学ぶための施設。

 

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