山崎久勝さん(73歳・大津市在住)
琵琶湖の水の中の音を録音し、水辺の環境保全の活動を進めている山崎久勝さんが今回の素敵な人。
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山崎さんは8年前、仕事で水質測定機器の研究・開発をしていた関係で石狩川の水中の音を録音することがあり、それ以来、趣味で全国の川や湖などの水中の音を録音するようになった。「なんともさわやかな水流の音を聞いて、たくさんの人に聞いてほしいと思ったのです」。水の音は、風、地形、温度、水流量などによって変化する。きれいな水は澄んだ金属音のような高い響きがあり、不純物が多い場所では音も濁り、振動も不規則になる。03(平成15)年、山崎さんは琵琶湖の水を録音し、滋賀で開催された「世界水フォーラム」の会場で紹介した。「琵琶湖のいろいろな所を歩き回り、水中の音を録音しました。苦労もありましたが、水のきれいな音を聴いていると癒やされました」。一方、水の音にすっかり魅せられた山崎さんは、音楽家とのジョイントで、リラクゼーションCD「琵琶の湖音」を作成した。この自然が作ったシンフォニーは「心地よく胸に響く」と、なかなかの評判だ。
山崎さんは水中の音だけでなく、水中生物の音も録音している。メダカやスジエビ、ミジンコを水槽に入れて、水中マイクロフォンで録音。何度も失敗したが、実験を繰り返して成功した。スジエビはブラックバスのえさであることから、スジエビの録音を流してブラックバスをおびき寄せ、退治できるのではないかと研究をすすめている。「録音にとどまらず、次々とアイデアがひらめき、研究したいことが出てきます」。
さらに山崎さんは、子どもたちのために「水の大切さを教える学習会」を随時開いている。録音した川や琵琶湖の音を子どもたちに聞かせるなど、さまざまな水の実験をしている。子どもたちは初めて聞く湖の水中の音に興味を持ち、水の大切さを知るという。水環境について、今後も挑戦や研究をしたいと考えている山崎さんは、「子どもたちが興味を持つ形で水環境を学んでほしい。水の大切さを知り、昔の子どものように水辺で遊ぶ機会が多くなることを願っています」と話している。(取材・鋒山)
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