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掲載日: 2010.03.24

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ケアリングクラウン 石井 裕子さん(61歳・大津市在住)

クラウン(道化師・ピエロ)の格好で病院や福祉施設を訪問して愛と笑いで人の心を癒やすケアリングクラウン。

石井裕子さんは、ご主人、友人夫婦と4人で「ケアリングクラウン トンちゃん一座」を結成、滋賀をはじめ全国各地で活動している。

癒やされるのは自分の方

赤い鼻をつけ「トンちゃん」の愛称で親しまれる石井さんが「ケアリングクラウン トンちゃん一座」を結成したのは10年前。きっかけは、98(平成10)年に衛星放送で見たアメリカで病院訪問をしているケアリングクラウンを紹介する番組だった。単なる道化ではなく、愛と笑いで人の心を癒やす優しい笑顔、夢の世界を思わせるカラフルな風船で作ったバルーン・トンネル……。心の中が温かいもので満たされた。

その後、アメリカでケアリングクラウンの講座を受けられると聞いて興味は持っていたが、自分もなろうと決めたのは翌年のこと。アメリカやヨーロッパでは医療や福祉の現場で認められているケアリングクラウンだが、医療が発達しているとされる日本にはない。なぜ? 心を病んでいる人を目の前にして、いてもたってもいられなくなった。

英語もできず、ツアー以外に海外に行ったこともない石井さんだったが、何かが背中を押した。3人の子どもが独立して手が離れ、何かしたいと思っていたことも原動力になった。思い切って渡米して学ぶことにした。

講座はメークの授業から始まり、かつらや帽子をかぶっての大道芸、心理学、さらにはがんセンターでの実習もあった。アメリカ、イタリア、オランダで数多くの講座にも参加した。

何回も学ぶうちに、人のためというより自分が生きていくのに必要なことだと感じた。現場に立ってそのことを改めて実感した。病院を訪ねると子どもたちが大喜びする。病気の子を持つ母親たちを抱きしめると泣いて身を委ねてくる。そんな人との触れ合いが石井さんの心を温かくしていった。

「私が何かを与えてばかりいるのではないのです。私自身も温かなものをたくさんもらっているのです」

誰にでもつらいことを乗り越える力がある

「石井裕子」ではなく「赤い鼻をつけたクラウン」で訪ねれば、ほとんどの人が初対面で心を開いてくれる。その効用を、地域の幼稚園、小・中・高・養護学校、福祉施設、病院など、全国各地を訪ね伝えている。

そこではいろいろな人に出会う。心を病んで2年間家に閉じこもっていた人。明るく楽しいトンちゃんと触れ合って心の扉が開き、自分から外に出て少しずつ人と話せるようにまでなった。

「大切なのは、誰でもつらいことを乗り越える力が自分の中にあると気付いてもらうこと。私はそのお手伝いをしているにすぎません」

“温かなもの”を次の人に伝えたい

月1回自宅を開放、手料理でもてなす。疲れた人、病んでいる人、おしゃべりしたい人、誰でも大歓迎。今までたくさんの人からいただいたものを次の人に伝えるパイプ役になりたいと講演会も多くこなす。日本クリニクラウン(入院生活を送る子どもの病室を定期的に訪問し、遊びとユーモアを届け、子どもたちの笑顔を育む道化師)協会設立に寄与、トレーナーもしている。

子どもたちに「トンちゃんみたいになりたい」と言われ出し、とてもうれしいと顔をほころばせた。

(取材・鋒山)

 

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