八日市に冒険遊び場をつくる会の皆さん
東近江市役所の向かいにある大水児童公園には、元気に走り回る子どもたちの声が響いている。数年前はさびれた公園だったが、「八日市に冒険遊び場をつくる会」の拠点となったことでにぎやかな声が戻ってきた。
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東近江市役所の向かいにある大水児童公園には、元気に走り回る子どもたちの声が響いている。数年前はさびれた公園だったが、「八日市に冒険遊び場をつくる会」の拠点となったことでにぎやかな声が戻ってきた。
ロープをかけた大きな木、廃材で作った小屋、中央に流れる川……。子どもたちの冒険心をかきたてる魅力が大水児童公園にはある。
月に2回、「八日市に冒険遊び場をつくる会」の世話人(約10人)が中心となり子どもたちの遊びをサポートしている。
危ないから、汚いからと制限されがちな遊びでも、子どもたちの自由に任せている。モットーは「けがと弁当は自分持ちで!」。多いときは40人近くの子どもが集まり、遊びに熱中している。
「公園に子どもがいない」「外遊びする子どもを見なくなった」。そんな危惧を抱えた八日市地区まちづくり協議会がプロジェクトとして、07(平成19)年に「冒険遊び場」を発足させた。
冒険遊び場とは、多少の危険はあっても自分たちが遊びを作り出しながら楽しむ場所のこと。子どもの空想力や創造力を刺激、仲間の連帯が生まれる特徴がある。
整備された遊び場よりも廃材置き場で子どもが喜んで遊んでいるとデンマークの造園家が提言したのをきっかけに誕生、ヨーロッパを中心に広まった。プレーパークとも呼ばれる。
大水児童公園も初めは何もなかったが、近所の材木屋さんが廃材を提供し、大工さんが奉仕で小屋を作るなどして、徐々に冒険遊び場に変身していった。
「自分たちが子どものころは町中が遊び場でした。今は制限が多く、子どもたちが外遊びに魅力を感じなくなっています。外遊びしたくなる環境に戻し、ゲームより面白いと思われる場所にしたい」と発起人で代表を務める村山弘晃さん。
2年目からは未就園児を対象とした「ちびぱーく」も開催している。ちびぱーくの世話人中根尚美さんは「以前は子どもを連れて行きたくなる公園がありませんでした。今はここで公園デビューする子も増え、お母さん同士のネットワークも広がっています」と話す。
ドラム缶に入って坂を転がったり、工作をしたり……と遊びは尽きない。疲れれば、たき火を囲んで食事タイム。七輪などを出してきて、オリジナルみそ汁を作った子もいた。
「子どもたちの好奇心を大切にしているので、けがをすることもあります。しかし、痛みから危険を学び次第にけがもしなくなります」
時にはけんかもあるが、他人と正面から衝突することでコミュニケーション能力が身に付く。仲裁に入ることもあるが、制限のない遊びの中で子どもたちは自然とルールを作っていく。
「子どもは環境が整っていれば自分で育つ力を持っています。ここが子育ち、親育ちの場になればうれしいです」と村山さん。
遊びは子どもにとって知恵と勇気と自信の宝庫。頭と体をフル回転させて遊びに熱中する子どもたちの顔はいきいきとしていた。
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