滋賀アスリートキッズ コーチ 渋谷 和久さん(彦根市在住・43歳)
今年4月に発足した滋賀県内の小学生向け陸上クラブ「滋賀アスリートキッズ」。コーチを務める渋谷和久さんは、クラブの練習を滋賀マスターズ陸上連盟と合同でしたり、遊びの要素を取り入れたりして、陸上の楽しさを小学生に伝えるユニークな試みに挑戦している。
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今年4月に発足した滋賀県内の小学生向け陸上クラブ「滋賀アスリートキッズ」。コーチを務める渋谷和久さんは、クラブの練習を滋賀マスターズ陸上連盟と合同でしたり、遊びの要素を取り入れたりして、陸上の楽しさを小学生に伝えるユニークな試みに挑戦している。
「滋賀アスリートキッズ」の練習場は笑顔の子どもたちでいっぱいだ。縄ばしごやミニハードルを使ったゲームや鬼ごっこなど、遊び感覚をうまく取り入れた楽しい練習で、記録が伸びるように指導しているからだ。
月1回は「滋賀マスターズ陸上連盟」のメンバーと合同で練習する。
マスターズ陸上とは、35歳以上の人が、生涯楽しく同世代の人と競技するのを目的に、5歳刻みのクラスに分かれて、記録更新や健康管理、友達づくりなど自由な目的で活動する陸上競技のこと。
合同練習には、10歳から70歳までのメンバーがそろい、子どもたちにとってベテランの姿は刺激になり、マスターズには子どもたちに負けられないと奮起するきっかけになっている。小学生向け陸上クラブは県内に数多くあるが、世代を超えた練習をしているクラブは珍しい。
こんなユニークな練習方法を取り入れた理由は、陸上競技の「地味でつらい」イメージをぬぐい去り、次世代の子どもたちに「楽しいスポーツ」と知ってほしいから。渋谷さんは中学時代から現在まで陸上競技を続け、3年前に滋賀マスターズ陸上連盟に参加して、連盟の強化委員会副委員長も務めている。記録が伸びるのが楽しくて厳しい練習も乗り越えてきたが、昔のチームメートが「陸上はきつい苦しい思い出」と言っているのがつらかった。
まずは自分の小学生の息子と娘に陸上の楽しさを教えようと、7年前に陸上クラブ「彦根南JAC(ジュニア・アスレチック・クラブ)」を作った。地域にサッカーや野球のスポーツ少年団はたくさんあるが、陸上クラブがなかったからだ。遊びを取り入れながら練習メニューを楽しいものに工夫すると、2人はぐんぐん記録を伸ばし始め、見事ジュニアオリンピックに出場。他のメンバーも県で上位に入賞した。
滋賀マスターズ陸上連盟で「楽しく練習できるメニュー」をメンバーやその子どもに実施してほしいとの声が上がり、練習会を開くと大好評だった。そのとき地域の陸上クラブに入りたくても定員がいっぱいで入れない子どもがいることを知り、滋賀に住んでいたら誰でも入れるクラブを作ろうと、メンバーと協力して滋賀アスリートキッズを設立した。会員は現在30人。湖南地域の子どもが中心だが、陸上クラブのない地域の子どものために出張教室なども予定している。
「発足からまだ4カ月ですが、大会では多くの子どもたちが記録を更新するなど、楽しみながら力を伸ばしています。将来はマスターズ陸上に参加するようになって、陸上競技を生涯スポーツにしてほしいですね」
(取材・鋒山)
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