滋賀県の観光ガイドやエリアガイド、グルメガイドなら滋賀ガイド。地域情報満載です!

滋賀ガイド!

滋賀ガイド!トップへ

前のページへ

掲載日: 2011.06.22

素敵な人トップ

「素敵な人」の投稿は → こちら

山本 玄匠さん (高島市在住・72歳)染色工芸作家

茶色のイメージがある柿渋染めで、カラフルに染める技法を開発した山本玄匠さん。これまでになかった色彩豊かな作品は、日本だけでなく世界のファッション界でも注目されている。

パリコレでも評判

玄匠さんの柿渋染めは赤や青、緑、黄色など色鮮やか。その秘密は渋柿に尿素や重曹、海藻の粉末などを入れて独自に開発した染料にある。赤はモミジを発酵させたもの、緑は藻を尿素で発酵させたものを使う。染料以外の原料も牛ふんや米の肥料など自然のものを使い、川や琵琶湖を汚さないよう環境に配慮している。
この染色法は一朝一夕で生まれたものではない。高校卒業後、京都の染色工場でポリエステルやナイロンの染色に従事した。その後、染色工場の再建に携わるようになり、60歳までに12社を立て直した。
12社目で柿渋染めに出合い、茶色しかないことに驚いた。長年の経験から、他の色でも染められると確信し、試行錯誤を重ねて生み出した。
99年、デザイナー・三宅一生さんの目にとまり、モデルのナオミ・キャンベルさんが着用、プレタポルテ展やパリコレクションにTシャツやジーンズなどを出品して、世界で高く評価されている。ワコールのブラジャーの染めの第一人者でもある。

染色は素手で

玄匠さんの作品には、工房がある高島市から見える比良山系や琵琶湖のイメージが色濃く出ている。うっとりするようなウエディングドレス、神秘的な柄や色遣いのTシャツ、帽子……。どの作品も思わず手に取ってみたくなる。疲れたときに工房を訪れ、作品を見て感動し、元気になって帰る人もいるという。
玄匠さんは作業前に30分ほど、生地を織ってくれた人への感謝の時間として、合掌したり、思いをめぐらせる。
染めるときは染料に浸すのではなく素手に付けて染める。生地は生き物で、素手でないと染めの触感が分からないからだ。前に誰かが立っていて話をしているつもりで作業するという。

夢にアイデア

ずっと働きづめだった玄匠さんは40代のときにがんを患い、02年に脳卒中で倒れた。今も左半身にまひが残り、右手だけで作業している。
「病気になってからいろいろなアイデアが夢に出てきて、求めていたものができるようになりました。右手だけなので時間はかかりますが、その分、集中できます。今では病気になったことに感謝しています」
病気は当たり前が当たり前でないことに気付かせてくれ、集中力と挑戦する時間を与えてくれた。
10年には高島市内に「福祉の店 玄匠」をオープン。自分の作品のほか、高島市内の作業所に通う人たちの作品を販売している。自閉症の人に柿渋染めを教えたり、点字や手話を覚えて障害者と積極的に交流するなど社会福祉にも力を入れている。
(取材・澤井)

 

素敵な人トップへ

本ページの情報は作成時のものであり、変更されていることがあります。あらかじめ御了承ください。

おすすめ情報

クルマでおでかけ!湖国ドライブガイド

おすすめアルバム

今週のプレゼント

おすすめランチ

Copyright © Yamapla Corporation. All Rights Reserved.

滋賀県のプランニングとデザイン、ホームページ制作をサポートする株式会社ヤマプラ