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掲載日: 2011.07.13

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美容師 森 小夜佳さん (高島市在住・27歳) 

昨年の第38回全日本美容技術選手権大会で見事優勝に輝いた森小夜佳さん。60年続く美容室を親子3代で営む一方、大会出場を目指す人たちの技術の指導にも当たっている。

滋賀県初の快挙!

全日本美容技術選手権大会は美容業界最大のイベントで、各都道府県の大会で優勝した人だけが出場できる。カット&ブロー、花嫁化粧着付け、ヘアスタイルなど八つの競技部門に分かれている。森さんが出場したのはヘアスタイル競技の部。事前に染めてカットした髪を20分の制限時間でセットする。森さんの作品は「花」をイメージした。ドライヤーやスプレー、ブラシ、コーム(くし)を使って形を整えていく。ブローで髪の流れを方向付け、根元に逆毛を立てて土台を作る。髪の色はでき上がったときの髪の流れや形を計算して染めた。全体のバランスのよさと、華やかさ、力強さが評価され、300点満点で299点を獲得。2位以下を大きく引き離す成績で、滋賀県初の優勝を果たした。

美しいものを共有・共感

祖母の悦子さんと母の敦子さんも美容師だが、子どものころから、保育士になることが夢だった。しかし、高校卒業後の進路を決めるとき、専門学校へ行く費用がなく、ためらった。
そんな時、友達の髪を切ったり、編み込みをしてあげると喜ばれたことに気づき、悩んだ末、通信教育で勉強しながら大津市内の美容室で働くことにした。美容の本当の面白さに目覚めたのはこのころからだ。
「美容師の魅力は美しいものを人と共有・共感できること。きれいになるお手伝いができ、お客様に喜んでいただけることがとてもうれしい」
カットも好きだがセットが一番好き。成人式や結婚式など、その人にとって特別な日を演出できることが幸せでやりがいがあるからだ。

感謝の気持ちで

3年前に祖母の悦子さんが病気で倒れたのをきっかけに実家の店に戻った。知人から大会があることを聞き、近畿大会のまとめ髪の部に出場した。
結果は惨敗だった。普段、店でやっていることをすればいいと考えたが、会場で他の人の作品を見て驚いた。通常のセットとはまったく違い、色や形など、全てがアート作品のようだった。
「一から勉強し直さなければ」と考え、全国大会を見学した時、印象に残った審査員の元を訪ね、毎日のように指導を受け、技術を磨いた。特訓を重ね、目を閉じていても17分でセットできるまで練習した。
髪の色もイメージに合うまで何度も染め直して大会に臨んだ。
受賞後は講師依頼が増えた。自分自身がつまずいた経験があるからこそ、受講者の気持ちが理解でき、分かりやすく教えられる。今度は自分が恩返しする番だと考えている。
(取材・澤井)

 

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