創設30周年「湖笛の会」代表 中山 登志子さん(大津市在住)
ハイレベルでユニークな演奏活動を続けてきたフルートオーケストラ「湖笛の会」が創設30周年を迎える。
代表の中山登志子さんは、会長の松山克子さんと共に、発足時から湖国滋賀の音楽文化に熱い情熱を注ぎ続けてきた。
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ハイレベルでユニークな演奏活動を続けてきたフルートオーケストラ「湖笛の会」が創設30周年を迎える。
代表の中山登志子さんは、会長の松山克子さんと共に、発足時から湖国滋賀の音楽文化に熱い情熱を注ぎ続けてきた。
幼稚園のとき突然、中山さんの家にオルガンが届いた。贈り主は中山さんの父親だった。家族の喜ぶ顔が見たくて事あるたびに家族を驚かす父親の愛情表現だったというが、ここから中山さんの音楽人生が始まった。
石山高校の音楽科を経て相愛女子大学(現・相愛大学)の音楽学部フルート専攻を卒業。滋賀県下の高校の音楽講師として勤務していた。そんなとき、滋賀で活躍していたフルーティストの松山さんから「湖笛の会」の結成話が舞い込んだ。
松山さんは東京芸術大学出身で、石山高校講師を勤めながらフルート愛好者の拡大と女性の社会進出を目指して「女性だけのフルートオーケストラを滋賀で根付かせたい」と考えていた。
以来、30年、中山さんと松山さんは会の代表・会長という立場で「湖笛の会」を盛り立ててきた。
フルートオーケストラで演奏される音域は6オクターブを超える。大小7種類のフルートやピッコロで構成され、一番大きいフルートは2メートル近い。
音色は風がささやくようなデリケートなものから、パイプオルガンのような重厚な響きまで幅広く、この“音の響演”は、聴く人の魂を震るわせる。
長年、コツコツ積み上げてきた「湖笛の会」のレパートリーは、クラシックから現代音楽、オリジナル曲、童謡、映画音楽、ポピュラーまで幅広い。
定期演奏会ごとに有名音楽家、狂言師、落語家らユニークなゲストを招き、演奏会の一部を劇仕立てにするなどハイレベルなチャレンジも重ねてきた。こうした活動は高く評価され、国内だけでなく海外公演も行ってきた。
同会では06年にCD付の絵本「猫・ねこ・ネコ」を出版。絵は専門家に依頼したが、ストーリーは中山さんが作成した。舞台演出やナレーションを中山さん自らが担当することもあり、「音楽」「語り」「映像」を組み合わせた新しい領域にチャレンジしてきた。
子どものころから一人でコツコツと壁新聞を作ったり、中学校では演劇部や放送部に所属するなど、音楽だけに活動を限定してこなかったという中山さん。
幅広い分野への才能を発揮しながら「湖笛サウンドのさらなる充実はもちろん、これらからもさまざまなコラボレーションでフルートオーケストラの魅力を発信していきたい」と、音楽活動に対する気持ちに揺るぎはない。明るく元気に話す姿に圧倒された。
来月の「湖笛の会30周年記念演奏会」では、京都バレエ・シアター、寺田バレエ・アートスクールと共演し、「くるみ割人形」に挑戦する。
(取材・福本)
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