プロウェイクスケーター 伊東節子さん(長浜市在住)
ボードの上でさまざまな水上技を競うウェイクスケート。昨年、プロウェイクスケート世界大会で女子部門2位に輝いた伊東節子さんが、 8月16日からアメリカで開催される世界大会に出場し、初優勝を狙う。
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ボードの上でさまざまな水上技を競うウェイクスケート。昨年、プロウェイクスケート世界大会で女子部門2位に輝いた伊東節子さんが、 8月16日からアメリカで開催される世界大会に出場し、初優勝を狙う。
ウェイクスケートは水上スキーに似ているが、使うのは長さ1㍍のボード。これに乗った状態でモーターボートに引かれながら水上を滑走し、テクニックの難易度と完成度を競う。
足を固定するウェイクボードと違って、固定させないのが大きな特徴だ。
醍醐味は何といっても爽快感だ。広々とした水上を時速40キロで滑り、チョウのように舞う。車で走るのとは違い、小さなボードに乗って走る時速40キロのスピードは想像以上に速いという。
伊東さんは04年に友人に誘われて琵琶湖で初めてウェイクボードを体験した。
それまで趣味でスノーボードをしていたこともあり、すぐに病みつきになった。その後、どんどん難しい技に挑戦、難易度の高い技をマスターしていった。
「水泳が苦手だった私が、泳がなくても水と遊べるスポーツに出会い、その楽しさにすっかり夢中になってしまいました。泳ぐのが苦手な人でもライフジャケットを着けていますから大丈夫ですよ」
ウェイクスケートは足を固定せずに乗って走るのでバランスをとるのが難しく、最初のうちはジャンプしてもボードだけが飛んでしまい、何度も失敗。足にすり傷が絶えず、飛んできたボードが顔に当って腫れ上がったこともあったとか。
だが、それにもめげず、ジャンプしたタイミングでボードだけを180度回転させる技に挑戦し、1年間かけてマスターした。このときの達成感は、たとえようがないと今でも顔をほころばせる。
伊東さんは最初、彼女の地元の愛知県で練習していた。しかし、もっと練習に適したところがないかといろいろな所を探して滋賀に落ち着いた。
滋賀はウェイクスケートができるだけでなく、シーズンオフにスノーボードができる場所があり、京都や名古屋、大阪などにもアクセスが良い。県内で白羽の矢を立てたのは奥伊吹スキー場に近い長浜だった。この町の「ソールテック」というスノーボードショップでインストラクターをしながら練習を続けている。
世界大会も第2位の快挙競技会に初めて参加したのは09年7月。
「関西・東海ブロック琵琶湖大会ウェイクスケート男女混合の部」。この大会で初出場・初優勝の栄冠に輝き、競技の楽しさをさらに大きく膨らませた。
以来、数々の大会に出場、10年9月の「全日本選手権ウェイクスケート女子の部」で優勝し、米国で開かれる世界大会への切符を手にした。
そして、11年8月、世界大会に初参加。外国人選手の体格とジャンプ力に圧倒され、不安と緊張に押しつぶされそうになったが覚悟を決めて演技に集中。見事、2位の座に輝いた。
「昨年の世界大会で優勝した選手は足を離してボードを360度回転させる難易度の高いプレーができます。私もそれに負けない技を今から磨き、次は優勝を目指します」静かな決意を秘め、波が安定している早朝には、日の出を背にしながら技と心を鍛えている。
(取材・鋒山)
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