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掲載日: 2012.12.26

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ピアノ工房 木村ピアノサービス 木村 弘志さん(守山市在住・65歳)

ピアノは普通、20~30年で部品が摩耗し、弦がさびるなどして音が悪くなってくる。このピアノの再生を独学で勉強し、自宅に工房を併設。
ピアノのオーバーホール、調律、音楽会の運営まで幅広くこなす木村弘志さん。「人と物」「人と人」の関係を改めて考えさせられた。

2年かけ技術を独学 

大学卒業後、会計事務所に就職したが、最終的に落ち着いたのは大手楽器メーカー。この会社で長年、ピアノの販売とそれに関係する仕事をしてきた。今から12年前、53歳のときに独立。ピアノ販売や音楽教室が開く演奏会のサポートなどを主な業務として再出発した。
しかし、いざスタートしてみるとほとんどの場合、ピアノの調律や修理の技術が必要だった。
そこで木村さんは、大胆にもピアノをオーバーホールする工房を自分で設立したのだ。
手始めにまず、古いピアノを1台買い入れた。これを練習台に専門書を一字一句読み解きながら、分解と組み立てを繰り返し、猛勉強する毎日が続いた。一通り技術をマスターし終えるのに2年かかった。

豊かな音をよみがえらせる

「ヨーロッパではピアノを100年、150年使う考え方が定着しています。正しく使っていけば、世代を超えた財産です」と木村さん。
ピアノの鍵盤の数は88個。これにピアノの弦を打つハンマーが連動し、この一つ一つが50個もの部品から成り立っている。修理の苦労は並大抵ではない。
木村さんはこの仕事を一人でコツコツこなす。他人の手が加わると微妙にバランスが合わなくなるからだ。グランドピアノの場合、2カ月以上かかるという。

微妙な音を聞き分け

ピアノは、設置場所や使われ方によって劣化の度合いが違う。これをチェックするところから修理が始まる。修理方針の立て方が違うと作業がムダになってしまうこともあるという。
音が「出る、出ない」は誰でも分かるが、微妙な音の「良し悪し」を聞き分けて記憶しなくてはいけない。一旦、分解してしまうと、音質のチェックは元通りに組み上げるまでできない。ごまかしがきかない作業だ。
地道な作業を黙々とこなす日々が続き、組み立てが終わって、良い結果が出たときのうれしさは言葉では言い表すことができないという。
修理の成果をチェックするためにはピアノの調律は欠かせない。だから木村さんは調律師も兼ねている。
耳は体の一部なので体調を整えておくことが絶対条件で、年齢によるハンディキャップを埋めるために毎朝、音を聞き分けるトレーニングを欠かさない。食事や睡眠にも留意しているという。
「『腕が上達している』と、自分で感じられる間はこの仕事を続けていきたいです。
この仕事は単純に子どもに継がせていけるほど甘くはありません。でも、音楽文化を支えていくためには不可欠ですから、後継者は必要だと思っています」と、話す姿はすがすがしかった。
(取材・鋒山)

 

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