打楽器奏者 西岡 まり子さん(大津市在住)
日常の品をはじめ、車のスプリングコイルやブレーキドラムなど、意外なものまでを打楽器に変え、目にも心にも楽しい音楽を奏でる西岡まり子さん。アメリカやヨーロッパなど世界10カ国以上でソリストとしてだけでなく、さまざまな楽器との共演やアンサンブルなどで活躍している。
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日常の品をはじめ、車のスプリングコイルやブレーキドラムなど、意外なものまでを打楽器に変え、目にも心にも楽しい音楽を奏でる西岡まり子さん。アメリカやヨーロッパなど世界10カ国以上でソリストとしてだけでなく、さまざまな楽器との共演やアンサンブルなどで活躍している。
「え、こんなものまでたたくの?」
中学校で吹奏楽部に入部した西岡さんは驚いた。メーンの楽器は小太鼓や大太鼓だったが、曲目によっては木魚、仏具のりんまで演奏した。
普通なら気にもとめないような音が、スパイスのように刺激的な音に生まれ変わり、演奏を引き立たせる。面白くてすぐに夢中になった。
演奏しながら声をかけたり、ハミングをすると、どんどん気持ちが乗っていく。
「打楽器って面白い!」。声楽家である母親の影響で、
子どものころからピアノを習っていた西岡さんは一転、打楽器にはまってしまった。
さまざまな楽器を組み合わせて音を創るのが打楽器演奏の魅力。にぎやかな音だけでなく、小さい繊細な音も表現する。
耳で聴き、目でも楽しみ、全身で表現する楽しさは想像以上のようだ。
西岡さんは打楽器奏者になった今でも、自動車の解体工場でスプリングコイルやブレーキドラムなどを分けてもらったり、ホームセンターや100円ショップへ楽器になりそうなものを探しに行く。
網と竹を購入して自分でウッドチャイムを作ったり、固くて通りのよい音がする木鉦を、日蓮宗の総本山がある身延山まで買いに行ったこともあるという。
中学校で打楽器に目覚め、石山高校の音楽科、同志社女子大学学芸学部音楽科を卒業し、しばらくはフリーで活動していた。しかしもう一度、一から音楽を学び直した
いと考え、2006年度文化庁新進演奏家海外留学制度研修員としてドイツのフライブルク音楽大学に進学。
07年からはスイスのバーゼル音楽院に学び、目標を持って頑張っている同世代の人たちから刺激を受け、打楽器の持つ大きな可能性に開眼した。
その年、第56回ミュンヘンARD国際音楽コンクールのファイナリストになり、特別賞を受賞。翌08年、第25回日本管打楽器コンクール入賞。さらに10年、平和堂財団新進芸術家奨励賞を受賞するなど、これまでに多くの賞を受賞。世界各国で打楽器のコンサートを開き、その魅力を伝えている。
また、3歳年下の打楽器奏者である妹の美恵子さんとデュオCosmo(コスモ)を結成。
その他、スイスを拠点に活動しているピアノ、サックス、打楽器による現代音楽アンサンブルPolaris Trio(ポラリス トリオ)のメンバーとしても演奏を続けている。
1月26日、大津市のしがぎんホールで、「宮本妥子(みやもとやすこ)・西岡まり子パーカッションワールド」を開く。
ゲストにジャズドラマーの西代一博さんとピアノの末永匡(ながいただし)さんを招く。
今回はパーカッションデュオを軸に構成されたコンサートだが、大太鼓2張りだけの静かな作品やマリンバのデュオのほか、仏具のりんを大小30個も並べた演奏もある。
夏にはPolaris Trioのコンサートも日本で開く予定だ。
(取材・澤井)
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