農事組合法人 グリーンティ土山 代表理事 藤村 春樹さん(甲賀市在住・44歳)
日本の茶業の発祥の地とされる滋賀県。天台宗の開祖・最澄(さいちょう)が唐から持ち帰った種子を比叡山のふもとに植えたのが日本茶の起源といわれている。甲賀市土山町は現在、茶の栽培面積、生産量ともに県内のトップを誇る。その甲賀市で茶農家の協業化に取り組む「グリーンティ土山」の代表理事・藤村春樹(ふじむらはるき)さんに話を聞いた。
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日本の茶業の発祥の地とされる滋賀県。天台宗の開祖・最澄(さいちょう)が唐から持ち帰った種子を比叡山のふもとに植えたのが日本茶の起源といわれている。甲賀市土山町は現在、茶の栽培面積、生産量ともに県内のトップを誇る。その甲賀市で茶農家の協業化に取り組む「グリーンティ土山」の代表理事・藤村春樹(ふじむらはるき)さんに話を聞いた。
「グリーンティ土山」は、今から26年前、藤村さんの父親が土山の茶農家5軒で設立した農業法人。当時、茶農家の多くは個人経営で、少しでも早く出荷をして資金回収しようと急ぐあまり、出荷時期が重なるなどの弊害が生じていた。 これを防ごうと肥料の共同購入や工場の共同利用を進めるのが狙い。藤村さんは12年前から法人代表を務めている。
藤村さんの自慢は「土づくり」。消費者の健康を考えて、冬に入れる肥料を有機肥料主体に切り替えた。有機肥料の効き目はゆっくり現れるので、即効性のある化学肥料も必要だが、この使い分けが難しい。 近年、肥料の高騰化により化学肥料に比べて割高な有機肥料の使用をひかえる農家もあるが、協業化によってコストダウンをはかり解決した。 一方、農薬を使う回数も極力減らすようにしている。 藤村さんのお茶は2007年に全国茶品評会「かぶせ茶の部」で農林水産大臣賞を受賞するなど、高い評価を得ている。さらに、お茶の魅力を伝えようとオリジナル商品を開発し、インターネットなどで販売。京都の茶道関係者などからの注文も受けている。
お茶を作るだけでなく、知識や技術の吸収にも力を入れている。藤村さんは荒茶審議技術会の利き茶の大会に27歳から40歳まで毎年出場。10種類のお茶の産地や品種を当てるこの大会で08年にはトップとわずか1点差で2位に入賞した。4年前には「お茶のソムリエ」ともいわれる日本茶インストラクターの資格も取得した。 お茶について産地、成分、効能など幅広い知識を持ち、その魅力を充分に伝えることができるのが条件。資格の保有者は現在、全国で4000人弱で滋賀県にはわずか41人しかいないという。 人材育成にも力を注いでおり、現在、父親のあとを継いで滋賀県農業指導士として県立農業大学校で研修を担当し、茶業をやりたいという若者を積極的に育てている。 「お茶に興味がある子たちなのでとても頑張ってくれています。これからの茶業界は若い世代にかかっているので期待しています」 (取材・福本)
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