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木之本で本と出会い、人と出会う
【アーカイブ 2020年11月取材】

掲載日: 2024.11.18

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ブックコーディネーター
久保寺 容子(くぼでら ひろこ)さん(長浜市在住)

北国街道の宿場町として栄え、日本三大地蔵で有名な木之本地蔵院の門前町木之本。近年「本と出会える町」として注目され、他府県からも読書ファンが訪れる。きっかけを作ったのは「木之本虫プロジェクト」のメンバー。代表の久保寺容子さんは4年前、北国街道沿いに古書店「あいたくて書房」をオープン。JR木ノ本駅の待合室や、きのもと交遊館などに無人の私設文庫を設けたり、町の有志とともにブックカフェの誕生に携わったりした。定期的に古本市も開き、湖北の町は静かなにぎわいを見せている。

本とふれあう場所

木ノ本駅前には100年以上の歴史がある県内最古の私立図書館「江北(こほく)図書館」があり、町には読書好きの人たちが多く住んでいる。「もっといろいろな形で本とふれあう場所を作りたい」。思いが重なるメンバー7人が集まり2015年春、「木之本虫プロジェクト」が始動した。
子どもはスキップしながら、高齢者は自分の手押し車を押しながら行ける場所に本を置きたい……。
同年秋、駅の待合室に誰でも自由に本が借りられる無人の「まちあい文庫」が設置された。2016年には、古書店「あいたくて書房」をオープン。「友人たちの協力もあり、本は自然に集まりました。知らない本が大半で、こんな本があるのだと気づかされたり教えてもらったりすることもありました」

 

思いがけないものに出会う

あいたくて書房

子どものころから本を読むことが大好きだったという久保寺さん。家族も本好きで家の中は図書室のように本が並べられていた。短大卒業後就職し結婚。働きながら子育てをしていたとき、図書館にあったポスターを見て図書館記念日が自分の誕生日と同じことを知った。久保寺さんは運命的なものを感じ、一念発起して図書館司書の資格を取り山東町立図書館(現 米原市立山東図書館)に勤めた。長浜城歴史博物館や高月観音の里歴史民俗資料館でも働いた。働きながら通信教育で大学に入り、48歳のとき学芸員の資格も取った。「館内の展示替えが好きで、歴史資料の伝え方や見せ方を先輩学芸員から学ぶことが楽しかったです。今は、私がお薦めしたい『この1冊』を、一番素敵に見えるように置いたり、今日はこの本を主役にしてあげようと思ったりしながらレイアウトを楽しんでいます」
図書館のように作家の名前順やジャンル別に並べるのでなく、自分が思うように並べる。「難い思想の本」と「柔らかいエッセイ」は、分類上は違うジャンルになるが人生の指標となる点では同じなので、生きるためのヒントを与える本として近くに並べる。「ここは思いがけない本に出会ってもらうところ。背表紙や表紙を見てこんな本があるんだ、面白そう!と感じてほしい」

人とつながる 人と向き合う

木ノ本駅「まちあい文庫」の貸し出し用紙

昨年は「第3回木之本ひとはこ古本市」を開催した。全国から30店舗以上が出店し大勢の人でにぎわった。駅の待合室の「まちあい文庫」の利用者は増え、貸し出し用紙には「電車が止まっていたので助かりました」「良い本で心がほんわかしました」などと、メッセージが書かれていることもある。「色々な人が来てくださりたくさんの出会いがあります。感想文などを読んで本を介しておしゃべりすることも楽しい。今や本はインターネットで手に入りますが、本には作者の思いや考え方が凝縮して入っているので、その作者の思いを言葉で伝え、手から手に伝わる感覚を大事にしたいと思っています」
(取材:鋒山)

 

☆古書店「あいたくて書房」は今年9月25日に閉店しました。

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